経済学思考が身につく100の法則
【著者】西村和雄【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2003年05月29日【本体価格】1,800円
【ページ数】170p【ISBN】4-478-21043-8
本書で養う経済学的思考は、社会問題のみならず、人生のあらゆる問題の解決方法を考えることにも適用できるのである。
本書「はじめに」より抜粋
景気の悪さに不満を漏らす我々だが、実際、その打開策として何をすればよいか。政策に何を求めればよいのか、経済の断片的な知識だけでは想像できない。結局、無関心のまま“お上”に任せてしまう。何となく生活できている「豊かさ」に危機感を感じることができないのかもしれない。
本書では、経済学は、社会と経済の問題を解決するために必要な思考力を養うのに、有効な学問と位置づける。身の回りで起こっている事象を、敏感に感じ取ってもらいたいというのがテーマだ。
一例として、日本の経済の現状を紹介する。
バブル崩壊後、不況が続く。税収が減少する一方で景気対策として公共投資を行うために、政府は国債を発行してきた。現在国債の発行残高が360兆円に達し、国と地方の債務を合わせると600兆円を超えているという。
その中で、必要性の低い高速道路などの建設に使われる、従来型の公共事業に対する批判も高くなってきた。不必要な公共投資の需要拡大効果は、その年限りに終わってしまう。そう、もっと波及効果の高い、将来の生産性を向上させ、新産業を産む公共投資に変えていくべきだ、ということなのだ。
デフレでは、物価が下がっても借金の価値は下がらないから、負債のある企業の負担が重くなる。賃金は下がりにくいので、企業はリストラで社員の数を減らし、失業者が増える。現在の日本が陥っている状況だ。
さらに、これを放っておけば、国内全体の需要は落ち込み、物価がまた下落する。企業の収益が悪化し、不良債権が増加する、リストラで失業者が増える、需要が減る、物価がさらに下がるという、デフレ・スパイラルに落ち込んでいく、といった具合に、総体的な流れもやさしく解説する。
本書はタイトル通り「経済学思考を身につける」本。さまざまな経済理論を「100の法則」として紹介することで、我々の学習意欲を喚起する。平易な文章でまとめてくれていて、練習問題までついている丁重さだ。
本書を読むことで、我々は日々の経済のニュースの背景には、どんな本質が隠されているのかが見えてくるだろう。ビジネスマンにとって必須の経済用語、公式、定理を厳選し紹介している。
本書の中身を知っておくことで、直接的な仕事に役立つことはないかもしれない。が、社会の流れを知ることは、やはり仕事にとって、とても必要なことなのだ。その大切さを知る人も、実は、とても少ないのだ。
![転職、派遣、アルバイトまで!求人メルマガ [en]キャリアニュース](http://columnjob.en-careernews.com/images/en_logo.gif)
