これが答えだ!─部下の潜在力を引き出す12の質問─

【著者】カートコフマン&ゲイブリエル・ゴンザレス=モリーナ
【発行】日本経済新聞社
【発行年月】2003年07月25日【本体価格】1,800円
【ページ数】347p【ISBN】4-532-31062-8

最も熱意のある集団は、もっとも生産的だ。残りの集団は平凡か、凡庸、または紛れもなく破壊的である。

本書 P108 より抜粋

指導者が最近よく問われる「組織があっての人か、人があっての組織か」に対し、意見はしばしば分かれる。企業内で、社員が何の興味も適性もない知識を植え付けるために、研修に送り込まれる。そこで社員は劣っている点を強化するよう指示される。しかし、これは賢い時間の使い方ではない。

スポーツに例えるとわかり易い。野球チームで1番から9番まで長距離打者を並べても、チームとして機能しないことは明白だ。だから与えられた打順の役割を各選手に強要する。しかし、無差別に求めるスキルを身につけさせようとする、組織の指導法ではもはや成果を上げられない。

「最も強力で、活気があり、生産性が高く、利益をもたらす職場」と、そうでない職場にどのような環境の違いがあるのか…。

本書では、世界規模のネットワークをもつギャラップ社の調査により、その答えを発見し全貌を紹介する。まず、ギャラップ社は世界の66カ国で、何百万人もの社員に次の質問をした。「あなたは毎日職場でもっとも得意な仕事をする機会を与えられていますか」と。

その結果「与えられている」と答えたのは5人に1人だったという。つまり一企業の中で80%の社員が得意とする分野の仕事を与えられていないということだ。しかし、優れた企業は、社員の才能、得手不得手を調べ上げて、人材を適所に配置させているというのだ。この差はなんなのか?

ギャラップ社が行った調査により、生産性の高い組織を作るための2つの結論が導き出された。まず、全ての仕事の成果に影響を与える12の条件が確認されたこと。第二に、12の条件を満たす責任と、実際に実行出来るのは各職場のマネージャーと、一人ひとりの社員であることがわかったという。

意外な条件もあった。「職場の中に親友がいること」だというのだ。これまで企業は社員同士が仲良くなり、無駄な時間を過ごすのを奨励しなかった。しかし、これは大きな利益を生み出すというのだ。職場に親友がいることで社員の仕事に対する熱意は驚くほど上昇する“証拠”を挙げている。

50年以上にわたって、ギャラップ社は、顧客や社員に、仕事、職場、購買や消費に関わる決定について幅広く質問を行ってきた。主要な業界すべてに取材し、世界的な規模で調査を実施してきた膨大なデータが「答え」を裏付けている。データから見えた真実とは…一読することをお勧めしたい。