60分間・企業ダントツ化プロジェクト

著者】神田昌典【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2002年12月05日【本体価格】1,600円
【ページ数】354p【ISBN】4-478-37421-X

全国3800社を超えるクライアントの経験をもとに、成功する企業家の発想法・思考プロセスを伝授する。
本書 腰巻 より抜粋

新商品を売るために、会議室でダラダラと意見交換をする。皆の意見がバラバラで、結局権力のある人が勝ってしまう、という無鉄砲な戦略・無駄な時間を費やす会社が多いのでは…と、本書を読み終えた直後にそう思った。もはや「広告を出す」だけでは、モノは売れないのだ。

顧客の視点で戦略を考えろ、聞き飽きたフレーズだが、どうすれば「顧客の視点」で考えられるのかを、今まで誰も教えてはくれなかった。なぜか?それは誰も知らないからだ。

本書では、そんな疑問に「顧客を魅了することに焦点を絞る」ことで、革新的なアイディアが自然と見えてくるのだという。

本書は、「6つのステップと、それの関連する20のチャート」によって構成されている。圧倒的な競争力を実現するための戦略、それを作り出すためのノウハウがギッシリと詰まっているのだ。

例えば、2つの商品ラインがあり、どちらを販売しようか、というケース。「コンピュータ初心者用自習教材/コンピュータ中級者用自習教材」この2つを「ニーズ(必要性)・ウォンツ(欲求)分析チャート」にあてはめる。

まず、コンピュータ初心者は、自習教材のニーズは高い。同僚にゼロから教えてもらうのは迷惑をかけてしまうからだ。

さらに「学びたい」というウォンツもそこそこ高い。一方中級者は、ニーズはやや低い。人に聞くこともできるし、オンラインヘルプで解決できるからだ。ウォンツも初心者よりは強くはない。

以上をビジュアル化し、それぞれの位置付けを確認すると明らかに初心者用自習教材の方が販売しやすいことがわかる。確かに、各レベルにあった商品を大量に裁きたいところだが、売れ残るのはどちらであるか明白なのだ。

なるほど、これだけ見ても顧客を意識した商品戦略であることが伝わってくる。このような顧客視点のリアルな戦略が、本書のウリだろう。本書の視座視点を、普段から意識していれば、モノが売れていくしくみがわかり、ちょっとした感動すら味わえるかもしれない。

本来、著者はこの内容を高額の受講料を受け取り、セミナーで商売人に向け講義をしている。それがこの一冊に集約され、なにより本代だけで勉強できるのが嬉しい。著者もそれは陳謝している。数々の著書をのこす実践マーケッターの最新の自信作。一読の価値は十分にある。