チームの研究

【著者】竹内靖雄 【出版社】講談社 【発刊年月】 1999年 3月
【【本体価格】660円 【ページ数】p222

チームができる前に、まず個人がある。「はじめに個人ありき」で、一人の個人があるプロジェクトを遂行しようとする。しかし、自分一人ではそれが不可能、ないしは困難である場合には、自分とは異質の能力をもった個人を何人か見つけて分業と協力の関係を作ればうまくいくかもしれない。そこで個人が集まってチームが出来るのである。チームはあくまでも個人主義から出発し、個人主義を超えることを狙って作られる。
同書 P15から引用

私達が働く企業という場所は人の集まりだ。だから、人を上手に動かせる人が能力を発揮することが出来る。有名企業の社長によるマネジメント論などは数多くあるし、多くの人が実際に読んでいる。しかし、社長という立場での経験は誰にでも出来るものではない。

それに対し、チームの運営、マネジメントは多くの管理者やビジネスマンが経験し実践していることだ。管理者でなくとも、チームの一員としてプロジェクトを遂行していくことはほとんどのビジネスマンが実践している。チームがうまく機能するかどうかで、チームの構成人員のアウトプット量も作業効率も大きく変わるのだから、企業においてチームは非常に重要なものだ。

しかし、このチームという切り口で組織やプロジェクトを捕らえなおす試みは、あまりされてこなかったように思える。マネジメントの書を開けばチームマネジメントの方法論が解説されているのだが、「チームとはどういったものなのか」という部分は案外説明されていないようだ。それは、チームというものが個人に依存すると同時に個人を超えたものであり解説しづらいということに起因するのかもしれない。そんな中、今週取り上げる『チームの研究』という本書は、講談社現代新書から出ているためコンパクトな1冊ながらもチームに関して多くの示唆を与えてくれる好著だ。

「チームは個人からなる」「成功するチームの条件」「適切な目的がなければ成功もない」という「チームとは何か」という第1章。項羽、劉邦のチーム、ナポレオン、そして川上監督時代の巨人など、ユニークな切り口からチームを取り上げる第2章。そしてチームをいかに作り上げるかを解説した第3章(仲間がつくるチームや、特殊技能の持ち主を使うチームなどはユニーク)からなる本書はチームマネジメントに関わる人のみならず、チームメンバーとして働くすべての人に示唆を与えてくれる。

自分のチームメンバーとしての特性を知り、パフォーマンスをアップさせることも出来そうなこの1冊。是非手にとり、あなたの所属するチームを勝利に導くヒントを掴んでいただきたい。