強い組織をつくるための 小さなヒント

【著者】ドミニク・グロシュー【訳者】片桐克博
【出版社】KKベストセラーズ
【発刊年月】2001年04月10日【本体価格】1,100円【ページ数】173p
【ISBN】4-584-18601-4

85. もし、あなたがいつも夜遅くまで仕事をしているのなら、どうしてそんなに帰るのが遅くなるのか、理由を3つ考えましょう。86. そして、その問題の解決方法を考えて、すぐに帰りましょう。
本書 156のヒントより 抜粋

最近のビジネス書のトレンドとしてあげておきたいキーワードのひとつとして「チーム」があるだろう。組織をいかに上手く動かして、ビジネスとして成功に導くのか、そこに存在するメンバーとリーダーの役割を、コンパクトにまとめた本書を、今回は紹介したい。

あなたは、新しく編成されたプロジェクト・チームのリーダーで、チームを成功に導く義務をおっている。また、任された部下たちが思うようなパフォーマンスを見せないことに、苛立ちを感じています。そんなあなたに、必ずや有益なヒントを与えます。…本書の使い方というページには、そうある。そしてその通り、ハウツーではなく「きっかけ」が集められている。

冒頭にも抜粋したようなヒントが156用意されている。著者の国フランスでは、このような箴言集はよく出版されて読まれているらしい。なるほど、どれも短い文章ではあるが、そのささやかな言葉の中に、心に響くメッセージが用意されている。そのメッセージにはすべて「自らの組織がよりよい方向に活性化するために」どうすればよいかという視点が盛り込まれている。

まずにこやかに微笑みましょう、といった、ビジネス生活習慣的な要素も多数あるが、それらは、組織が強くなっていくために、リーダーやメンバーがしなくてはいけない「他人とかかわるための行動規範」のようなものになっている。それを個人主義の徹底したフランス人が書いている、ところも考えればなかなか面白いのだが…。

本書は、部下に自分の気持ちを伝えることを苦手としている若いリーダーに特にお勧めしておきたい。「部下が自分の思い通りに動いてくれなくて」ビジネスの現場で、リーダーから頻繁に耳にする泣き言である。しかし、部下に良く話を聞いてみると、上司の言っていることが理解できない、と嘆いているケースは多い。そう、あなたの言葉、ちゃんと伝わっていないことが、チームをスムーズに運営できない原因になっていることは多いのだ。

本書に用意された言葉は、不必要なことを削り、伝えたいことだけをエッセンス化したものである。しかも、直接的な物言いではなく、伝えた相手に「気づかせる余地」をも残している。まずはよく読んで、自分にリーダーとしてなにが不足していたか、確認するのも良いだろう。必読です。