スモールビジネスマネジメント

【著者】デブラ・クーンツ・トラベルソ【訳者】阪本啓一
【出版社】翔泳社
【発刊年月】2001年03月15日【本体価格】1,600円【ページ数】421p
【ISBN】4-88135-867-7

次にいくステップとして、見栄えのする住所にオフィスの引越しをするか、メールボックス(訳注:私書箱。アメリカの大きな会社は持っている)を借りてみるとよい。そんなことをしては不誠実でうそつきになるのだろうか。いや、スマートなイメージ創りは、何より重要なのである。
本書 14p より抜粋

昨今、企業トップが社員に望む資質として「経営者的視点を持つこと」をあげるケースが増えてきた。しかし、少し考えてみればわかるが、それを身に付けることはとても難しい。そもそも、経営者的視点とは何なのか、漠然としすぎている。なにをどう身に付ければ良いのだろう。本日はそのヒントを少しだけ。

今回取上げる「スモールビジネスマネジメント」は、大企業なんかに負けないための超実践的ガイドブックと銘打たれた、スモール・ビジネス経営者のためのハウツー本である。賢明な読者諸氏はもうお分かりになっただろう。そう、小さな会社の経営者に必要なものを学ぶことで、経営者的視点について考えてみよう、というアプローチである。

インターネットが普及し、アイデア(とそれを実行する行動力)さえあればビックボーイ(=大企業)と互角に渡り合える時代にはなった。しかし、現実的には、小さい企業への世間の視線はまだまだ厳しく、顧客の信用を勝ち取るために、また、ビックなイメージを作り上げるために、スモール・ビジネスの経営者たちは、並々ならぬ苦労をしているようだ。

その苦労を解消するためのノウハウが、本書には詰まっている。例えば、社のイメージを向上させるためには「完璧な住所と社名」を選ぶことだとし、また、ゆるやかなアライアンスを組むことで「従業員を雇うことなく大きいというイメージを作る」としている。その努力は涙ぐましくもあり、また、かなり面白い読み物でもある。

さらに、電話の利用法やレターの活用術など、ルーティンワークを磨きこむことによって、会社としてのイメージ(=大企業なみの信用)を得るノウハウも提示している。小さな企業の経営者は、数字(=アカウント)以外に、企業そのものの実態を作り上げるために、小さな努力を積み重ねているのである。これは、経営者的視点以外の何物でもない。

ここまででお分かりかと思うが、これらのテクニックは、すべてのビジネスパーソンに応用できる。例えば、新規の得意先を開拓するために、そこからの信用を得るためのテクニックが、「スモールビジネスマネジメント」の中に詰まっているのだった。なーんだ!という感じだろうか? しかし、この視点が大切であることを、実は忘れてはいませんか? まずはご一読を。