やればできるじゃないか、君。
【著者】大山弘子/瀬田かのこ【出版社】アスペクト
【発刊年月】2002年02月26日【本体価格】1,300円
【ページ数】197p【ISBN】4-7572-0916-9
──部下を笑わせるというのは、部下との人間関係をうまくやっていくうえ で、上司が身につけなければならないスキルだと思います。
──笑いがスキル、ですか?
──上司はタレントでなければならないんです。会社は楽しくなければダメ ですからね。景気悪いし、不安ばかりですから。
本文 194pより 抜粋
サブタイトルに「ダメ部下を大化けさせる64の秘訣」とある。また、腰帯には「ビジネスコーチングの基本から裏技まで徹底解説!」とある。なるほど内容的にはその通りではある。しかしこの本、そんな理屈は一切抜きにして、相当に面白い、お勧め二重丸の一冊なのだ。
ダメな部下について、中間管理職が専門家に相談する、というスタイルを取っている。また、さまざまな相談を、ほめる・さとす・ながす・てつだう・おもんぱかる、の5つの対処法に分けて、紹介している。それぞれにわりと細かく、その効果的な接し方を解説している。
また、回答を寄せる専門家は、心理学者やビジネス・コンサルタントなど5名。それぞれが、深層心理学的には、組織改革的には、人事戦略的にはと、さまざまな観点からアドバイスを行う。解決に向けての視点が1つではないことが実に有効であることが、本書を読めばわかる。
ダメ部下のダメっぷりもかなり笑える。クレームの電話が鳴らないように電話線そのものを抜いて居眠りする部下、お色気巨乳が自慢の部下、無断欠勤した理由を拉致監禁されていたと日焼けした顔でいう部下、メールでむかつく文章しか書けない部下…と、まさに、笑いの殿堂である。
それに対して、回答をする専門家の意見もかなりユニークだ。お色気巨乳部下の相談に対しては、自分はその上司がうらやましいから何もしない、とわけのわからないと言い、拉致監禁されていた部下には、自分もこの間アマゾンに行って…と同じスケールで嘘を言え、と推奨したりする。
当然まともな回答もある(というかむしろこちらの方が多いのだが)。部下が期待通りの動きをしないときの対処法が、実に明快に示されている。例えば、仕事について与えられた役割を明確にしてやること、本人の適性に配慮すること、自分の指導方針も疑ってみることなど、参考になることは多い。
正直に言おう。本書が本当に役に立つのかどうか、書評担当者の私にも太鼓判を押す自信は、ない。しかし「面白い」本であることは、間違いない。とんでもない部下を抱えて悩んでいる、という中間管理職には、必読の一冊だろう。世の中もっと凄いのがいる…と慰められるかもしれない(笑)。
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