ネガティブな部下とどうつきあえばいいのか!

【著者】ゲーリー・S・トプチック【訳者】有賀裕子
【出版社】ダイヤモンド社【発刊年月】2002年02月28日
【本体価格】1,400円【ページ数】257p【ISBN】4-478-71048-1

<独裁者>の思うツボにはまってはいけない。こうした相手には、横暴な言動によっていかに業務を停滞させているか、あるいはまわりの者がどれほど気分を害しているかを諭し、正しいコミュニケーションの仕方を教える必要がある。こちらも強い態度に出ることだ。
本文 43p より 抜粋

仕事を一生懸命していてもバラ色の時代ではない今、前向きに頑張ろう!と思いつつも、どうしても「ネガティブ」な心持ちになってしまいがちだ。しかし、ネガティブはウィルスのように伝染するらしく、放置していると職場中に蔓延してしまう厄介なものらしい。

本書は、誰もがいつ襲われるかわからない恐怖のウィルス「ネガティブ」に対する様々な処方箋を用意している。ネガティブを治療することによって、明るく生産的な職場を作り出し、自分自身、同僚、そして顧客までもハッピーに、そして業績をアップする「好循環」を作り出そうというのだ。

まず最初に、個人やチームといった小さい単位でのマイナス思考に言及している。ネガティブ思考な人を14タイプに分類、それぞれを分析している。独裁者・完璧主義者・変化嫌い・つむじ曲がり・スピーカーなどと名づけられたそれぞれのタイプに、自分や周囲を当てはめると、かなり面白い。

次にネガティブ思考を克服するための簡単なヒントが30用意される。まだそれほど深刻ではないネガティブ思考に効果があるそうで、まずはネガティブの原因を見つけ出す、というところから、証拠写真を撮る、ムチ打ちの罰を与えるなどの興味深い(?)モノまで用意されている。

さらに本書は、会社全体などの「大きな組織単位」でのマイナス思考を撃退するための処方箋を用意する。組織全体がマイナス思考に陥る原因を「ある変化」「能力と裁量のアンバランス」「望ましくない組織のきまり」にあるとし、それらを改善するノウハウを提供している。

それぞれのノウハウが、ケーススタディにそって紹介されているので、非常に理解しやすい。読みすすめるうちに、自分自身に、また、同僚に、思い当たるケースがあり、思わず膝を打ってしまうことも。

アメリカでの例なので、日本の実際とは多少そぐわない場合もあるが、それは簡単にアレンジすることで対応できそうだ。とにかく「ネガティブ」が職場にもたらすマイナスを認識し、それに対処するためのノウハウ獲得に最適の一冊であることは間違いなさそうだ。

タイトルどおり「ネガティブな部下」を持つ上司は、職場にウィルスが蔓延しないうちに、すぐにでも手に取ることをお勧めする。また、自分自身がネガティブな思考をしがちなあなたも、一読すべきだろう。自分が感染源にならないためにも…。