ロストプロセス・ジェネレーション
【編著者】サントリー不易流行研究所
【発行】神戸新聞総合出版センター
【発行年月】2002年12月21日【本体価格】1,500円
【ページ数】269p【ISBN】4-343-00196-2
希望すれば努力しなくても、手に入ると思っている位の気軽さで、「司法試験を受けるつもり」という若者には驚かされた。彼らと話していると根拠のない自信を感じることが多い。まだ、何もやっていないけれどやれば当然できるはずという自信がどこからくるのかはなぞのままである。
本書239pより抜粋
この本は「今どきの若者がわからない」「子供を理解したい」と、不安を抱く大人たちに向けて、昭和50年代生まれの若者たちの「マインド」について、詳細な取材を行い、浮き彫りにしたものである。一見すると、このメールマガジンの読者にとっては、関係がないようにも思えるが…。
この世代が育った家庭環境から、本書は始まる。「ちょっといい家族」と名づけられたその環境は、お父さんの存在が希薄で、家族が友達みたいで、子供たちのコントロールが効かなくて、でも、それでもやっぱり「我が家はいい家族だと思いますよ」と、いうような場所のことである。
さらに、携帯電話などのコミュニケーションツールの発達によって生じた、人間関係や恋愛の変化、さらには、都合の良い場所である「家族」を背景にした「自分探し」の名を借りた「就業感」まで、幅広く論じている。具体的な事例が豊富に紹介され、読んでいて臨場感がある。
タイトルの「ロストプロセス・ジェネレーション」とは、生まれたときからすべてがそろっているという「豊かさ」と、高度に発達した「情報化」社会の中で、何かを得るための「プロセス」を、この世代は失ってしまっているのでは…と、本書は示している。言われてみれば、そうかもしれない。
さて、冒頭の「関係ないのでは…」という、投げかけに戻る。
昭和50年代生まれの若者たちは、実はもう既に社会に出ている。あなたの後輩にも(もしかしたらあなた自身がそうかもしれない)きっといることだろう。そんな彼らの「マインド」が「わからない」と思ったことはないだろうか…。
この「ロストプロセス・ジェネレーション」を理解し、コントロールしていくことは、企業内で管理職になるものにとって、必須事項になるだろう。なぜなら、それは「親業的」なものなハズだが、実際の親は、すでにその役割を担えなくなっているからだ。
この本を読めば、新しい時代の管理職が持つべき視点が、わかる。
あらゆる意味で、大変な時代に突入していることを、改めて整理するためにも、本書を一読することをお勧めする。手に入りにくいかもしれないが、大型書店やネット書店を丹念に探せば、あるだろう。
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