モチベーション・マネジメント

【著者】小笹芳央【発行】PHP研究所
【発行年月】2002年12月16日【本体価格】1,300円
【ページ数】167p【ISBN】4-569-62442-1

同じ仕事を部下に与えるにしても、「石を積み上げてほしい」というより、「要塞を作るために、石を積み上げてほしい」というほうが、部下のモチベーションが高まることは言うまでもない。
本文 53p より抜粋

社会全体の働く意欲が低下している…この不景気で失業率も高い時代になにをバカな!という感じだろうか。しかしながら、ビジネスの現場にいる管理職なら、すでに肌で感じ取っているだろう、部下の仕事に対するモチベーションが、押しなべて低下してきていることを。

最強の組織を創り出す、戦略的「やる気」の高め方-というサブタイトルの付いた本書は、文字通り、あなたの部下とチームが、今すぐに活性化するための実践的なノウハウが、たくさん詰まった一冊である。そう、もはやモチベーションは、戦略的に高めなくてはならないのだ!

まず「深刻化するモチベーションクライシス」と題して、社会環境の変化などに伴って生じた、企業と個人との関係について、わかりやすく解説している。なるほど、どうしてモチベーションが低下してしまったのか、この項を読むことで、そのアウトラインがつかめる。

次に「最強の組織はモチベーションマネージャーが創る」とし、組織内での人の繋がり、その重要性を説く。モチベーションを高める管理職になるためには「影響力」と「信頼性」を持つことが大事と、キーワードに「こわい」「すごい」「すてき」「ありがたい」をあげるなど、なかなかユニークだ。

さらに「モチベーション・マネジメントの実践」の項では、ゴールセッティング効果、ラダー効果、リンク効果など、実践的で、それこそ、即効果を発揮しそうなノウハウが、20種類提供される。役割の認識や、成功へ導くための視座視点が、ギッシリ詰まっているのである。

文字通り、管理職、もしくは管理職になろうとしている人たちには、必読の書であることは言うまでもない。しかし、それ以外の、例えば、社会人1年生がこの本を読んでも、間違いなく役に立つだろう。それは、将来、マネージャーになったときに?いやいや、きっと今すぐに役に立つ。

目標を明確にする技術、意思決定の重要性、マイルストーンの立て方など…もうお解かりだろう。上司が部下に「モチベーションアップ」させるために指導するノウハウは、すなわち、自分自身の「仕事の改善」に役立つことは言うまでもない。

巻末には筆者の会社である(株)リンクアンドモチベーションで、モチベーション・マネジメントの実験として取り組んでいる事例が紹介されている。これもなかなかユニークで、一読の価値があるだろう。あらゆるビジネスパーソンに、オススメの一冊である。