リーダーが困ったときに読む本

【著者】ロス・ジェイ 【発行】ディスカバー21
【発行年月】2003年03月10日 【本体価格】1,400円
【ページ数】221p 【ISBN】4-88759-246-9

・部下のうちの誰かをリストラしなくてはならない
・優秀な部下が辞めたいと言い出した
・部下が仕事のストレスで苦しんでいる
本書 腰帯 より抜粋

組織における「リーダー」と呼ばれる人に求められる資質は、「問題解決能力」だといわれている。日頃から携わっている仕事においては、経験則で対処できることが多い。しかし、全く直面したことのない、社内でのトラブルもリーダーは想定し、準備をしておく必要がある。

本当に困った状況というのは、その問題が今まで経験したこともなく、マニュアルにも載っていない場合であるという。「部下にリストラを言い渡す」や「上司から仕事の失敗をなすりつけられる」「自分より年長者の上司になる」などが、それにあたるだろう。

無論、自分が経験したことのない問題でも、他の誰かが経験していることがあるはずだ。つまり、誰かが答えを知っているというわけ。本書には100件ものトラブル解決法が載っている。リアルな状況を想定しているので、そのままマニュアル本として活用できるだろう。

例えば、こんなケースがある。「本当は能力不足の部下が、自分ではかなり仕事ができると思い込んでいる」という、上司にとっては面倒な事態。「多少のミスはあったが、きちんとこなした」と息巻いている部下に対して、あなたならどのように接してあげられるだろうか。

あなたはイライラするかもしれないが、部下がどう思っているかは問題ではないと、著者は看破する。対処すべき点は、部下の能力不足ということに尽きる。つまり、能力不足を自覚させることではなく、本人の思っているような「有能さ」を発揮してもらうことに、上司は注力すべきなのだという。

有能や無能というレベルの不毛な議論ではなく、ひたすら部下の仕事振りに焦点をあてる。部下が同意するような目標と基準を明確に設定し、必要あらば文書化に。さらに、目標未達成とみなす基準も決めておくことで、本人が認めざるを得ないように、準備も万全にしておけばいいのだという。

なるほど、期限に間に合い、ミスのない仕事でなければ、目標を達成したことにならないのだと、最初にはっきりと説明しておくことで、自分の能力不足を誤魔化したり、強弁する余地を与えないで済むだろう。実際にその点がなくなれば、本人の能力上昇も期待出来る。

このように、本書には「部下に対して」困ったとき、さらに上司に対して、同僚に対して、顧客に対してなど、リアルなトラブル解決法がギッシリ詰まっている。本書を自分のデスクや、鞄の中に忍ばせておけば役に立つ時が必ずやってくるに違いない。オススメの一冊だ。