あなたのチームは、機能してますか

【著者】パトリック・レンシオーニ【発行】翔泳社
【発行年月】2003年06月17日【本体価格】1,600円
【ページ数】243p【ISBN】4-7981-0368-3

信頼のないチームのメンバーは…
互いに自分の弱みや間違いを隠す。
助けを求めたり、建設的な意見を出したりすることをためらう。
自分の担当外の仕事を手伝うことをためらう。

本書 215P より抜粋

多くの企業において、クオリティの高いチーム作りはなかなか実現しにくいものだ。組織が質の高いチームワークの実現に失敗するのは、危険な5つの落とし穴に気付かないうちに陥ってしまうからであるという。この落とし穴を、本書では「5つの機能不全」と呼んでいる。

本書は、この「5つの機能不全」がもたらす影響、チームワークの機能を回復するプロセスやノウハウを単に羅列するわけではなく、“フィクション”という形でストーリー化し、読者をグイグイ引き込んでいく構成に仕上げている。

舞台はシリコンバレーの新興ハイテク企業。そこへ今や伝統的な産業と言える自動車業界から女性CEOがやってくる。それまで一見波風も立てず、“質の高い個人の集合体”という概念でやってきた経営陣は、この新任CEOによって一気に混乱させられる。そう、この企業はチームとして全く機能していなかったのだ。

機能不全とは、「信頼の欠如、衝突への恐怖、責任感の不足、説明責任の回避、結果への無責任」の5つ。ここでは、この5つの中で最も土台となり基本的で重要な要素、「信頼」とはどんなものかを紹介する。

チームワークは信頼を築くことから始まる。信頼とは「チームのメンバーが互いに理解しあい、心を開けること。互いに遠慮せずに、非難を恐れず、自分の間違いや弱み、不安を認めること」なのだという。信頼を築くには、個人が「完全無欠でありたいという気持ちを克服すること」なのだと。

例えば、社内会議において、自分が最も正しいと思い続けている限り、メンバーの意見も耳に入らないし、議論も活発に起こらない。表面上の「信頼」ではなく、人としてメンバーの強みと弱みを共有することで、相手を理解できる。話し合いは、まずそこからなのだという。

本書で紹介する5つの機能不全は、全く異なる問題で個別に対処できるかのように誤解されるかも知れない。だが実際には、これらは相互に関係しており、1つでも脆い部分があれば、チームの成功は絶望的になる可能性もあるのだという。

これまでのチームとしての慣行を覆すことは容易ではないだろう。しかし、それから脱しない限り、新しいパワーを生み出すことは困難であるし、会社は変われない。本書を一読し、リーダーとして、メンバーとして、機能することから始めてみることをお勧めする。