脱コンピテンシーのリーダーシップ
【著者】デイブ・ウルリッチ/ジャック・ゼンガー/ノームスモールウッド
【発行】ダイヤモンド社 【発行年月】2003年10月09日
【本体価格】2,400円 【ページ数】297p 【ISBN】4-478-37442-2
称賛されるリーダーとは、どのように行動するかを学ぶだけでなく確実に成果を上げるように行動をとる、ということだ。
本書 P5 より抜粋
書店に並ぶリーダーシップに関する書籍は、感動的なストーリーを語ったものや、リーダーが成功に対する信念を描いたものなどさまざまだ。しかしそれらの共通点は、リーダーに必要な「望ましい特性リスト」で締めくくっているというところ。そして、それらの書籍はある重要な要素を軽視している。
効果的なリーダーシップとは何か。本書では、これを「特性×成果」と表現している。注目すべき点は、2つの要素が足し算ではなく掛け算となっていることだ。つまり特性、成果のいずれかの点数が低い場合はリーダーシップの有効性は低くなるということだ。
本書はリーダーシップの「成果」について厳しいまでに固執している。読み進めていくと確かに「成果を出すために…を行う」といった表現が多いことからも頷ける。望ましい成果とは何か、どのように望ましい成果は定義され測定されるのかをかみ砕き、具体的に提示している。
リーダーが「望ましい成果に集中している」かどうか、という評価には基準があるという。「バランス・戦略的・継続・無私」の点だ。これらの基準により、望ましい成果をどの程度達成できるかが決まるというのだ。
「バランス」に関して本書では、社員の成果(人的資本)、組織の成果(学習、イノベーション)、顧客の成果(ターゲット顧客を楽しませる)、投資家の成果(キャッシュフロー)という、さらにつの分野に焦点を当てている。リーダーはこのつの分野に成果をバランスさせなければいけないと。
例えば、リーダーがつの成果(分野)に対して合計で100ポイントの注意とエネルギーを配分するとしたら、60ポイント以上のものと10ポイント以下のものはつくってはいけないという。これが実際に偏っている場合、つの成果を、まずバランスさせることから始めなければいけないのだと。
なるほど、この作業を行えば次にとるべき行動と達成すべき成果が明確になる。顧客第一主義で一時の成功をもたらした企業でも、社員に対する成果を怠れば、優秀な社員はその企業に定着しない、といった具合か。つの成果を均等に目指していくことが、チームや企業の成功に帰因するのだろう。
このように本書では、リーダーにとっていかに「成果」が重要なものか、また適切な特性を、どう成果に結びつけるかを、かなり丁寧に解説している。本書には、成果重視の新しいリーダーになるための提言がギッシリ詰まっているのだ。全く新しい発想、かつ理論的で実践可能な内容構成。オススメ。
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