リーダーは、ピーターパンの心を持って!
【著者】アレッサンドロ・ケーロ【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2004年01月29日 【本体価格】1,400円
【ページ数】131p 【ISBN】4-478-72024-X
個人のリーダーシップは、その人の権力や、職業上の地位、社内や社会での地位、他人よりも抜きんでる能力にあるのではなく夢見る力や、その夢を信じ、夢を実行に移す力にある。
本書 P18 より抜粋
我々にとって「ピーターパン」はディズニーのアニメでお馴染みだ。大人になることを憂うウエンディの手を取って、子供がいつまでも子供でいられるという国、ネバーランドへと旅立つピーターパンの冒険。多くの人々の心をつかんだ物語である。
そのピーターパンがいまの時代に実在したとしたら、どんな仕事に就いていただろうか。また、実業家や企業の一員であったなら、同僚や部下に対してどんな発想を持ち込んだか、というのが本書誕生のきっかけだ。
しかし本書には、おとぎ話のピーターパンは登場しない。会社を経営しながらも、役員に経営の権利を譲ることにし、自分はボランティア活動のためにアフリカへと旅立ってしまう、冒険心旺盛な「ピーター」と呼ばれる男が主人公。
この主人公ピーターを、現代社会のリーダーの象徴と位置づけて、上司や部下の本心から慕われるリーダーの心構えを紹介しているのだ。また、各章には、論文、挿話、小説、詩などが随所で引用され、メリハリの効いた構成で読みやすい。
各章で綴られるリーダーの心構え、つまりピーターのエピソードは実に面白い。各エピソードを読み終えると、一旦読み進めるのを休止し自分の立場に置き換えて考えさせられてしまうくらいだ。
ロマンティックで空想家、不可能な物語を描くのが好きなピーターの活動計画の立て方はこうだ。本文中では、ある教授がアメリカの有力企業の管理者たちを前に、<有効な時間のプランニング>と題し、講義をする話。
教授は大きなガラス容器を出し、大きな石ころを容器いっぱいに詰めた。しかし教授は「これではいっぱいではない」と。次に砂利を容器の中に流し込む。そして次に砂を同様に流し込む。講義の中で行われた実験はこれだけだが、ここから重要なことが学びとれる。
自分の人生において、いちばん大きな石は何なのか。健康、家族、友達…。自分という容器の中に一番大事なものを最初に入れないと、貴重な時間を充実させることはできない、ということなのだ。砂、つまり自分にとって些細な事を優先させると、容器はいっぱいにならないのだから。
これはリーダーにおける時間の使い方の一部だが、もはや本書は管理職向けというよりも、誰もが学んで欲しい内容である。ページ数も少なく読みやすい構成なので、ぜひ手にとってほしい一冊だ。
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