伝わる・揺さぶる!文章を書く
【著者】山田ズーニー【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2001年11月29日【本体価格】660円
【ページ数】236p【ISBN】4-569-61736-0
就職活動の自己推薦状の場合、いい文章を書くとは、「文章が評価されて、企業に採用されること」以外にないと私は思う。どんなに文章がうまいと褒められても、結果、採用されなかったら、いい文章を書いたと言えない。あなたの書く文章は、状況に応じて、よく働いてくれるだろうか?望む結果を出しているだろうか?
本文 27p より抜粋
文章を書くのは得意だ!と胸を張って言えるビジネスパーソンは、それほど多くはいないだろう。しかし、日常の仕事を振り返ってみれば、伝言メモ、稟議書、企画書、日報・・・など、私たちは実にたくさんの文章を書いている。書くという行為について、無関心ではいられないはずだ。
しかし、よく考えてみると、社会に出てから、文章を書くことについて特別な訓練を受けた記憶はない。見よう見まねで、なんとなく文章を書いてきたはずだ。まあ、個人的に「文章読本」の類の本を購入して、「上手な文章」を作る努力をしている人も、いるかもしれないが。
今回紹介する新書は、名文を作成するための本ではない。著者は「文章が状況の中できちんと機能する」という表現をしているが、自ら書く文章が、書くための使命を全うするためにはどうすれば良いのか、という視点で、指南されているのである。これが、なかなか素晴らしい。
きちんと機能する文章を書くための手順として、著者は7つの思考方法を提案している。まずは、自分が一番言いたいこと=意見を見つけ出す。次に、何のために書くのか=望む結果を整理する。そう、文章を書くということはこういうことなのだ、とまず気づかされる。
そして、望む結果を実現するための文章作りとして、自身の問題意識がどこに向かっているのか=論点を整理することや、その文章によって心を動かす必要がある人=読み手、は誰なのか、読み手にとって、自分はどんな人間なのか?を検証する。ここで、文章を書くことはコミュニケーションなのだと、改めて考えさせられるはずだ。
最後に、自分の考えは「独りよがり」ではないという「論拠」を提示し、読み手の共感を誘い、納得を導き出せと教える。そう、文章を作成すると言うことは、実に知的な「ゲーム」であることを、本書はわからせてくれる。このプロセスは、相当に面白いこと請け合いだ。
受験生のための「小論文」教育に長く携わった著者なだけに、ノウハウを伝授すると言うことにかけては、天下一品である。本書でも、基本的な考え方をまず教え、それをさらにブラッシュアップ、という「誰でもグングン力がつく」ような構成も嬉しい。間違いなく「必読」の一冊である。
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