仕事ができる人の実戦ビジネス読書術

【著者】桜井直行【出版社】KKベストセラーズ
【発刊年月】2002年06月01日【本体価格】680円
【ページ数】230p【ISBN】4-584-12043-9

読んでいただければお分かりになると思うが、ここ10年の重要なビジネス書をきちんと読んでいれば、多くの出来事が予測できた。将来を展望して、どんなチャンスとリスクがあるかを知ることが、ビジネス書を読む大きな意義なのだ。そのことも実感していただきたい。たとえば、中国の将来がどうなるかというホットなトピックスも、すでに出ている中国関連のビジネス書に答えがあるはずだ。
本文 5p より 抜粋

ビジネスに関する新書に今、勢いがあるようだ。オフィス街の書店などをのぞいてみると良くわかるが、様々なビジネステーマで、いろんな出版社から新書が出されている。即役に立ちそうな良書も多いので、注意しておくことをお勧めしたい。

今回はそんな「役に立ちそうなビジネス系新書」の中からの一冊。筆者は実際にビジネス書の編集に携わると同時に、ビジネス書批評のスタンダードを目指して批評活動をしているという御仁だそうだ。ビジネス書のかなりの部分を知り尽くした、その人が、仕事の力になる101冊を厳選している。

この本は、ここ10年くらいのビジネス書における「(売れた売れないにかかわらず)重要なもの」を書評し、その本が読むべき本になった事情を鑑みた上で、その本自体が「よい本かどうか」を採点している。これによって、ビジネス書に向かい合う「姿勢」を学ぶことができるのだ。

取り上げている分野は「マネジメント」「自己啓発」「株式投資入門」「金融スキャンダル」「世界の中の日本」「構造改革論」の6つ。筆者の考える「ビジネス書の売れ筋」を分類したとある。なるほど、ビジネスにおける大きな流れなら、この6つの分類で、ある程度は追えそうである。

ユニークなのは本を採点する基準。1.切り口/2.コンテンツ力/3.満足感という3つの軸を出している。そのいずれもが、ビジネス書編集者としての筆者による「ビジネス書の作り手」サイドからの、プロの考えであるところが、とても面白い。

例えば2番目のコンテンツ力は、内容の面白さや説得力を評価の基準にしていない。原稿の分量を重要視しているのだ。雑誌の論文程度で済むものを、無理やり大著に仕上げることもある出版業界。その分量に見合ったしかるべき内容が盛り込まれてあるか?そこが評価のポイントになるのだそうだ。

本書で勧められている本の中で、自ら興味深いものを選んでコツコツ読むことも良いだろう。しかし、本書はやはり「ビジネス書選びの視座視点」を身に付けるために利用することを推奨したい。それさえ身に付けば、ビジネス書売り場の「混沌」で、迷うことは少なくなる(でも迷うときもある)。