心理学博士が書いたコンサルティング・セールスの成功法則
【著者】鈴木丈織【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2002年08月15日
【本体価格】1,500円【ページ数】248p【ISBN】4-569-62350-6
納得のメカニズムは、自分のバラバラになっている考え方を筋道を立てて体系化させることです。また、漠然として曖昧なものがきちんと明確に整理されたり、判明することです。お客様のなかの混沌とした欲求や欲望が具体的に見えてきたときに、「やっぱりそうか!」と意識できる満足感なのです。
本文 92p より 抜粋
なんとなく、なぜ上手くいくかわかっているんだけど、明快な言葉で説明出来ない…そんなノウハウを皆さんもお持ちだろう。その「なんとなく」の部分をスッキリと説明されたときの「気持ちよさ」は、そうなんだ!と文字通り膝を打ちたくなる、そんな感じではないだろうか。
本書は、まさにその「膝打ち本(=勝手に命名)」の一冊である。セールスを行うときの、ターゲットの心の変化、それを読み取ってこちらが繰り出すテクニック、それらを心理学的な裏打ちとともに、系統立てて紹介してくれている。まさに「スッキリ!」の内容盛りだくさんなのだ。
まずは「ファースト・コンタクトを成功させる7つの法則」と題して、顧客の信頼感を醸成するためのテクニックを紹介している。好印象を与える、同調する、欲望と恐怖を抱かせる、褒める、支える、電話を使いこなす、言葉を駆使する。並べてみると、まあ、当たり前の言葉が並んでいるが…。
例えば「支える」の項を見てみる。顧客はあなたに役に立ってもらおうなんて最初は思っていない、あなたの役立ちへの自信もうぬぼれだ、要は「支える」という意識を持つ、と言うところからスタートせよ、と本書は述べる。
そして、顧客の感性(=正確でも合理的でも論理的でもない攻めどころ)を揺さぶることで、支えられている演出をせよ、と具体的な方法を、以下の5つ紹介している。
1.焦らずゆっくりとした口調。2.顧客の言葉を丁寧に復唱する。3.語尾は曖昧にしない。4.話題の「見出し」を早く話すこと。5.話の内容を途中でポイントごとに整理すること。たったこれだけのことだ。
しかし、この5つを自身が顧客になってセールスマンから行われている姿を想像して見るとわかる。確かにこれらの行為によって、信頼感が醸成され、相談の1つでもしてみようか、そんな気がするだろう。と同時に、日常、自身が行っているアクションも、断片的だが、似たようなことをしているな、と気づくはずなのである。言われてみれば…というやつだ。
理解をして行動するのと、闇雲に動くのでは、その成果に大きな違いが出ることは言うまでもない。セールスマン向けに書かれた本だが、すべてのビジネスパーソンが、その人間関係を築くときのノウハウを整理するために最適の一冊だろう。部下への同様のテクニックを教えるための「タネ本」としてもお勧めしておこう。
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