図で考える人は仕事ができる
【著者】久垣啓一【発行所】日本経済新聞社
【発行年月】2002年05月20日
【本体価格】1,500円【ページ数】220p【ISBN】4-532-16418-4
図には、いろいろな情報を関連づけて一目でわかってしまう、そんな力があるのです。
本書 13p より抜粋
様々な場所でのカンファレンスでの発表スタイルが変わってきたのは、ここ最近のことだろう。しばらく前は、プレゼンテーションソフトを利用していても、箇条書きの文字が順番に出てくるだけだった。今は違う。多種多様な「図」が登場し、伝達される内容への理解を助けるようになった。
本書の著者は、図解コミュニケーションの第一人者であり、その著作も多いのだが、今回は、図解の技術を紹介するのではなく「図で考える」という視点での1冊となっている。まずは、図で考えるとなぜ良いのか?道順を説明するという困難さ、という、割と想像しやすいシーンから、本書は始まる。
まず、注目したいのは「図読」という言葉だ。
物事は、何かにつけ「立体的」に捉えるほうが、理解は早いのだが、文章では、その思考の流れなどを、立体的に書き記すことは、とても難しい。図なら、矢印などの装飾、文字の配置による関係の説明など、一目瞭然で伝えることが出来る。そこに着目して「図読」なのである。
文章を読むときに、紙(A4サイズを著者は推奨している)とペン、そして蛍光マーカーを用意する。そして、文章を読みすすめ、ポイントと思える箇所に印をつけながら、一読する。マーキングしたキーワードを、紙に写してから、それぞれのキーワードの相関関係などを、図解していく。
難しいことではないようだ。線で結んだり、マルで囲んだりして、書き手の考えを「繋がりが一目できるよう」デッサンしていく。出来たら、もう一度文章に戻る。作成した図を見ながら、最初に気がつかなかったポイントを、図の中に書き込んでいく。頭の中が、ドンドン整理されていくはすだ。
そうすることで、読んでいる文章の書き手自身が気がつかなかった(=つまり書かれていないこと)事柄を発見できることもあるという。要するに、文章を立体視することによって、次元が増えて、新しい「見えていなかったところ」が見えたのだろう。感動を覚えることもあると、筆者は述べている。
情報が氾濫する社会だけに、その押し寄せる情報を、正確にキャッチするとともに、自らの「伝えたいこと」も、誤りなく伝える技術が、ますます重要視されてくるだろう。「図解」と「図読」は、覚えておいて損のないスキルのひとつだろう。
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