技術者が営業をきわめる本
【著者】寺松輝彦 【発行】PHP研究所
【発行年月】2003年05月21日 【本体価格】1,450円
【ページ数】220p 【ISBN】4-569-62877-X
技術者営業は、営業マンより専門知識を活かして、お客様を納得できるように話せる有利な立場にいることを自覚しましょう。
本書 123P より抜粋
「技術革新」という言葉を、我々は日々浴び続けている。パソコン1つとっても、購入したばかりなのに、もう陳腐化してしまい、倍以上の性能のマシンが、安く手に入る。技術革新を身近に感じる瞬間だ。これは、IT関連に限らず、バイオ関連、医療、環境などの分野でも、顕著なのだ。
新技術と思っていても、導入が遅れれば、さらにそれを上回る新製品が市場に出回る。いわゆるロングヒットが生まれにくい状況だ。また、自社の市場を他社に奪われたり、技術開発のコストを回収する前に、その技術が古くなってしまうという状況も、日常茶飯事的になっているようだ。
もう、悠長なことは言っていられない。どこよりも先に、どこよりも早く新製品を市場に出し、そのコストを回収することが最低限のミッションになりつつある。そこで、自社製品を商品化する最後の関門、営業マンに求められる「資質」が注目されるようになったのである。
今までは、専任の営業マンと必要に応じて関係する技術者が補足説明に出かけるパターンが多かったが、これでは時代の速さについて行けなくなっているのだという。そこで考え出されたのが「技術者営業」という概念だ。
本書ではまず、技術者営業の利点として、商談の場において「専門知識に長けている為、説得力のある発言ができる」、「強引な売り込みをされないであろうという安心感がある」こと、などが挙げられるようだ。つまり、その場で顧客の課題にフレキシブルに対応できる技術者の役割を実証している。
さらに「技術者だからこそ、顧客の“真のニーズ”をつかめる」のだと著者は主張する。消費者のニーズをふまえ、顧客の開発方向と技術担当者の能力を把握し、アドバイスや助力ができるというのだ。しかし、職人気質の人に顧客と親交を密にすること自体、そもそも難題では、と疑問が残るだろう。
本書は、そんな技術者に向けた“超”レクチャーブックである。技術者であるメリットを活かしながら、顧客との会話の仕方や提案、プレゼンの方法など、システマチックな展開で構成されている。特に「オサカナトウキ」という話の聞き方のコツなど、即実践できる宝刀も用意されている。
本書にはこのように、技術者が営業を始めるときに必要な“心構え”がギッシリ詰まっている。しかもかなり丁寧に綴られているので、技術系ではない「営業マン」が読んでも、参考になる箇所は多いだろう。スピード社会の現在、読んでおいて損はない一冊として、オススメする。
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