連戦不敗のプレゼンテーション

【著者】村山涼一 【発行】PHP研究所
【発行年月】2003年11月05日 【本体価格】1,200円
【ページ数】204p 【ISBN】4-569-63150-9

非言語コミュニケーションや心理、クロージングや戦略といった側面から定義した方が、仕事を成功させるという意味では効果的だと思う。

本書 P19 より抜粋

企画は素晴らしいのに、プレゼンテーターが十分に説明、説得ができないでダメになってしまうケースがある。一方、企画はそれほど大したことないのに、プレゼンテーターの力量で決まってしまうプレゼンは多い。これは企画のデキを超える、プレゼンテーションの役割の重要性を意味している。

書店に並ぶ“プレゼン本”は、「話し方や企画書の作り方、プレゼンの達人が語る体験談」などが多い。しかし本書には、それだけでプレゼンを定義するのは「違和感がある」と記されている。本書で最も主張する、交渉現場での奥義とは、これまでの常識を覆す「非言語プレゼンテーション」なのだ。

非言語コミュニケーションの研究者によると、二者間の対話において、言葉によって伝えられるメッセージは全体の35%に過ぎないのだという。残りの65%は、話しぶり、動作、ジェスチャー、相手との間の取り方など言葉以外の手段なのだという。

つまり、説得的コミュニケーションにおいて、「話し手が何を言うか」よりも「どう言うか」の方が、聞き手は影響されやすいということなのだ。ここでは、実際のプレゼンにおいて、複雑な事柄でも瞬時に理解させるために、言葉をより効果的にする「ジェスチャー」の使い方を紹介する。

最も簡単な例としては、時間の変化を表現すること。過去から現在、現在から未来。これは言葉で伝えてもわからないことはないだろうが、手のひらを左前方に差し出して、同じ位置を右までずらしながら「過去から現在に至るまで」と言った方がイメージできるし、時間の経過が意識しやすいのだと。

「こんなことは、プレゼンツール(パワーポイントなど)でやれる」とお思いだろう。しかし、プレゼンの内容はそれだけではないはずだ。売り上げの変化から、ターゲットの絞り込み、(広告がテーマなら)認知行動のイメージや(店頭での)購買行動などもイメージさせなくてないけない。

本書には、プレゼンにおける様々なシーンで、場に即した身体の動きがイラスト付きで丁寧に解説されている。言葉だけでは相手には伝わりにくい。イメージを相手に委ねるよりも、プレゼンターがイメージを提示することで、聞き手は理解する手間が省けて、印象に残りやすいことがわかるだろう。

仕事のデキは、人とのコミュニケーションで左右されることが多い。プレゼンに限らず、仕事を部下に頼むときや、説明するときなど、分かりやすく印象に残りやすい表現方法を身につけておきたい。プレゼンターを含む全てのビジネスマンの読んでいただきたい一冊だ。