一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト

【著者】主藤孝司【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2004年02月13日 【本体価格】1,600円
【ページ数】250p 【ISBN】4-478-50221-8

他の増収策とは違い、値上げ戦略にはほとんど投資がいらない。新商品開発も不要。新たな人事の募集も店舗調達もいらない。それでいて一気にキャッシュを倍増させることが可能だ。

本書 P26 より抜粋

“GDPの実質成長率が何%上昇”と煽り立てられても、懐の実際はいかがなものか。モノがいくつ売れようが、単価が下がっていては「利益」は生まれない。会社という単位で考えてみても、価格を下げてシェアを奪うという「戦略」論が意味をなさなくなってきたようだ。

勝ち負けの二極化が進む現在、特に中小企業が喘いでいる。体力のない組織はどうしても“安く、早く”でしか太刀打ちできないと苦しんでいる。この“負の呪縛”から解き放たれるためには「価格」について再度考慮する必要があるのではないだろうか、というのが本書の問題提起なのだ。

天才起業家と呼ばれる著者は、20代の頃から、家庭教師派遣、プリクラ端末販売等をはじめとして、いくつもの事業を立ち上げ成功させてきた。特筆すべきは、NTTのISDN回線の販売事業に携わった際、わずか2年で社員2名で、大手企業を抑え日本全国トップの代理店になったことだ。

つまり、規模の大小は関係ない。小さい規模なら小さい規模なりの価格戦略を持って利益を上げていこうということなのだ。そして、本書でオススメする価格戦略はシンプルに「値上げ」だ。戦略に裏付けされた値上げをすれば当然利益も上昇していくことになる。

デフレ経済の最中、世間の常識は「安くなければ売れない」低価格競争の時代。だが、実際に高価格戦略で成功した身近な例があるのは確かだ。

今、コンビニエンスストアは「コンビニ不況」と呼ばれるくらい売上が落ち込んでいる。その中でも大きく売上げを伸ばし、コンビニを支えている商品があるという。それは「高価格のおにぎり」だ。

普通のおにぎりの値段は100円から130円。だが今売れているのは160円から200円の価格帯のおにぎりなのだという。これは単に高いだけでなくご飯に新潟産のコシヒカリを使ったり、具材に北海道産のイクラを使ったり、価格に見合うだけの商品を提供しているのが売れている理由だと。

ポイントは、コンビニ商品に飽きた人へ、質の高いサービスや品質を提供しているところだ。高価格で売るためには、必然的に戦略的な考え方、それなりの「仕組み発想」が必要なのだという。

本書を読めば、小さな組織でも通常の何倍もの価格で売り、成功しているいくつもの例を目の当たりにできるだろう。内容は、単なるケース紹介だけではなく、消費者の感情に訴える実際の価格設定方法など“目からウロコ”の情報ばかりだ。日常のビジネスライフのヒントになることも多いだろう。