社長失格
【著者】板倉雄治郎 【出版社】日経BP社 【発刊年月】1998年11月30日
【本体価格】1600円 【ページ数】371P
インターネット・ブームや金融機関の一連の改革は、そもそもどこから生まれてきたものなのか。そう、いうまでもなく米国だ。となると、これらのムーブメントは、現在グローバル・スタンダードとみなが呼ぶ米国主導型の国際市場の枠組みに対応するための壮大なる試行錯誤だったようにも思える。
そしてその米国における行動原則は、たとえ大組織であろうと最終的には個人が責任を持つ。すくなくともぼくはそう思っている。と考えると、この一連の流れはいったい何を意味するのか。
同書 P369から引用
「経営者意識を持つこと」がこれからのビジネスマンには必要だと言われる。しかし、この経営者意識、どのようなことを意識していけばよいのだろう。キャッシュフローの意識?ビジョンの策定能力?etc。。。
ビジネス書をひもとけば、必要とされる能力が簡潔にリストアップされている。しかし、それらは本当に「経営者意識」といわれるものなのだろうか?
さて、今回取り上げるのは、題名の通り、みずからに経営者失格の烙印をおした一人の男の物語だ。彼は、1997年にニュービジネス大賞を受賞し、インターネットブームとベンチャーブームの中で流星のごとく現れたベンチャー企業、ハイパーネット創業者、板倉雄一郎氏が同社の発足から倒産までを物語った一冊だ。
裁判所で、自己破産手続きをとる筆者の回想から始まるこの物語は、経営者という一人の人間の判断が会社に及ぼす影響、金融機関取引先とのかけひき、そして経営をするという苦悩、喜び。経営をするという「自己責任」を強烈なリアリティーと共に語りあげている。
経営者意識という昨今手垢のつきがちな言葉ではくくりきれない痛みを伝える当書。経営者のみならず、主体性をもちビジネス社会を生きようとしているすべての方に是非手にとっていただきたい一冊だ。そして倒産という出来事を経営者という視点から眺めてみて欲しい。雇用される側からは見えなかった何かがそこには開けるはずだ。
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