日本のおかま第一号 あなたは仕事に誇りをもっていますか?
【著者】野地秩嘉 【出版社】 メディアファクトリー
【発刊年月】1999年3月【本体価格】1500円 【ページ数】205P
【ISBN】4-88991-803-5
本当に人生は一度きりだと思うんです。僕は妻が死んだ時、人生はたった一度だから、後悔しないよう楽しもうと思いました。あのとき、自分の使命はふたりの子供を育て上げることだから、精一杯頑張るしかないと。しかし、無理して過労死するわけにはいかない。ですから休日はスキューバダイビングをやって、ストレスを発散し、人生を楽しみながら暮らしています。
同書 P143から引用
今週は、『日本のおかま第一号』という奇妙な題名の1冊を紹介したい。
この本は、筆者である野地氏が、下火となりつつある「正統派」キャバレーのNo.1ホステスの紅さん(玉音放送を聞いた現役ホステスに収録)や、サントリーでチーフブレンダーをつとめる興水さん(チーフブレンダーの技と素顔に収録)の仕事に対する姿勢、そして誇りに関して実施したインタビューをまとめた1冊だ。
仕事をテーマとしたインタビュー集や、ルポタージュは数多くある。(転職情報誌や、キャリアアップをテーマとする雑誌を開けば、毎週何人ものインタビューが組まれている)しかし、今週紹介するこの1冊が、他のインタビューと一線を画しているのは、その人にとって仕事とは何なのか、そして、仕事に対する考え方を通し人生といったものをどう考えているのかまでが、登場人物の答えから垣間見ることが出来るという点である。
冒頭で引用した言葉は、ロールスロイス、フェラーリといった高級車の総代理店でナンバーワン営業マンの飯島氏の言葉である。安いもので、2200万円、高いものとなると4300万円もするというロールスロイスを年間20台も販売する飯島氏のインタビューからは、どういった姿勢がお客さんを引き付けるのかという点だけでなく、私達が仕事をしていく上で必要なのはなんなのか、という考え方まで十分に伝わってくるものだ。
仕事をすることは、私達の人生において大きな比重を占める。それゆえに、この1冊のような、仕事をテーマとした秀逸なルポタージュは私達に様々なことを教えてくれる。この本に登場する9人が語る仕事への誇りや、筆者である野地氏の彼らへの愛情溢れる視線は、キャリアや仕事を考える際に忘れてなならない仕事に対する誇りを描き出してくれている。
同書を読み終え、副題になっている「あなたは仕事に誇りを持っていますか?」という問いかけをしたときに、日々の中で見過ごしてしまっているかもしれない「何か」を見つけることが出来るのではないか思う。そんな深い味わいを持つ本書を是非多くの方に手にとっていただきたい。
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