ビジネス・リーダーへのキャリアを考える技術・つくる技術

【著者】グロービス・マネジメント・インスティテュート
【出版社】東洋経済新報社
【発刊年月】2001年05月31日【本体価格】1,800円【ページ数】217p
【ISBN】4-492-53113-0

□キャリアを考え、つくるというスタンス

○まず、現時点での自分を正しく認識させたうえで(自己理解・自己洞察)
○自分にとって残された時間の中で(時間軸)
○何を目指して(ありたい姿・状態:志向性)
○何を大切にして(価値判断基準)
○どのようなポジションで(企業・組織の中での役割)
○どのような仕事をしていくのか考えて(仕事の内容)
○そのためにどのような行動を起こしていくのか(行動計画)

本書 3p より抜粋

終身雇用制度の実質的な崩壊によって、ビジネスパーソンのキャリアプランは非常にわかりにくいものになっている。今までのように、一定の年齢がやってくれば、入社同期が同じくらいの時期に同等の地位に付き、後は少なくなる役職を確保できるかどうかの椅子取りゲーム…そんな長閑な時代ではないのだ。自身のキャリアプラン、どのように考えればよいのだろうか。

腰帯にも銘打つとおり、本書は「戦略的キャリアマネジメント」の教科書の決定版である。このフレーズだけでレビューの紹介が終わってしまうほど、キャリアプランの策定において、知っておくべきことが、簡便にかつ、解りやすくまとめられている。ビジネスリーダーとして生き残っていくための、必要最小限であろうガイドラインを本書で知ることが出来る。

まず本書は、キャリアという漠然とした言葉では、なりたい自分にはなれないと指摘する。やりたいことはいったい何なのか…その本質的な部分を考えさせる。その上で、世間に流れている「キャリアアップ」に関する幻想と誤解を解いていく。中でも、とても短いコラムなのだが、採用側の論理も紹介しているところに注目しておきたい。

結局、キャリアをアップさせるということは、自分の努力だけではすまないということだ。自分の商品価値を見極め、その価値を高め、そして必要なところへ自らをセールスしていく。常に、相手を意識したものでなくてはならない、ということが、本書を読み進めていくうちにわかる。

やりたいことを見つければ、次は、それを実現するための周辺環境の整備という、当たり前のプロセスを、丁寧に紹介した書籍は意外と少ない。やりたい仕事のつかみ方や能力開発の手法が、具体的に細かく紹介されている本書は、ビジネスキャリアとは何か知りたい、自らのキャリアプランをもう一度再検討したい、そんな貴方にお勧めしておきたい一冊である。