経済ってそういうことだったのか会議
【著者】佐藤雅彦/竹中平蔵【出版社】日本経済新聞社
【発刊年月】2000年04月03日 【本体価格】1,500円 【ページ数】 357P 【ISBN】4-532-14824-3
竹中□それを経済学の用語で表すと、「補完材と代替材」という考え方になります。「補完材」というのは、「コーヒーが売れれば、クリープが売れる」という関係です。これに対して、代替材というのは、新幹線に乗れば飛行機には乗らない-。つまり、新幹線か飛行機か、という関係です。さっきのゲームは両方の面があるのかもしれません。佐藤□ああそうですね。「放送の代替」と「テレビの補完」ですね。
同書 293p より
書店に行くと経済学の入門書が並んでいる。今現在の業務に直接係わらなくとも、ビジネスマンのリテラシーとして、経済がわかること、という風潮があるのだろう。本のサイズを大判にしたり、カバーに江口寿史を使ってみたり、図版を多用したり…。どれも取っ付き易さに配慮しているが、今回取り上げるこの本は、その中でも、わかりやすさでは、ずば抜けている。著者は「だんご3兄弟」でも知られる稀代のヒットメーカーと、気鋭の経済学者。そんな二人が、がっぷり四つに組み、経済学について語り合った対談集である。
佐藤氏の興味深く、極めて本質を突いた質問に対し、経済学者竹中氏は、簡潔にして的を得た経済学的回答で応える。貨幣と信用、株の話、税金の話、アメリカ経済、円・ドル・ユーロ、アジア経済の裏側、投資と消費、起業とビジネス、労働と失業、競争か共存か…。目次に並んだその会議の内容は、新聞でビジネス誌で、日々報じられている記事をすっきりと理解するために必要な知識を作るのに、十分な内容になっている。
例えば、貨幣に関する章では、小学校のときに集めたビン牛乳のふたが価値を持ち得たエピソードから、外国の紙幣はなぜおもちゃに見えてしまうのか、偽札を作ると誰が損をするのか、と言う話まで、様々な話題が展開される。その話の流れの中で、貨幣経済におけるいくつかの命題を解説したり、コンフィデンシャル・クライシスについて触れたり、と飽きさせることがない。知的な(しかし居丈高ではない)オモシロさに溢れている。
対談集にありがちな読み難さも全くなく、必要なところに繰り返し入れられる用語解説、きちんと意味がわかっているからこそ入るちょっとした挿絵(佐藤氏のイラストが可愛いのだ)や図版と、読み手に対して、たくさんの配慮がなされている。経済に興味がある人は、まずはこの本を手にとって欲しい。一押し。
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