チーズはどこへ消えた?

【著者】スペンサー・ジョンソン【出版社】扶桑社
【発刊年月】2000年11月30日【本体価格】838円【ページ数】94p
【ISBN】4-594-03019-X

物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、すばやく動くこと。問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかり考えて我を失ってはいけない。小さな変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化にうまく備えることができる。変化に早く適応すること。遅れれば、適応できなくなるかもしれない。最大の障害は自分自身の中にある。自分が変わらなければ好転しない。
本書 65p より

言わずと知れた大ベストセラーである。2月現在で99万部、まだまだ売れつづけている。この、100ページに満たない小冊子が、何故そんなにヒトの心を惹きつけているのだろうか?粗筋は以下のとおりである。

ある国に、2匹のねずみと2人の小人が住んでいる。迷路があり、そこでチーズを探す。探していたチーズが見つかり、安住を決め込むのだが、ある日突然そのチーズはなくなる。

単純なねずみたちは、次のチーズを見つけるためにさっさと行動に移るのだが、知恵のある小人たちは、チーズが消えたことの検証ばかりして、なかなか新しいチーズ探しに行こうとしない。しかし、小人のうちの1人が、勇気を出して迷路を探し回り、ついに新しいチーズを見つけるのだった。

チーズとは、私たちが人生に求めているもの。例えば、仕事や家族、財産や安定などを指している。迷路とは、会社や地域社会、家庭など、チーズを追い求める場所のことである。書かれてあることをまとめれば…世の中は変化している、そのことに早く気が付くこと、そして自分も変わること、それが肝心だ…ということだけだ。

それ以上でもそれ以下でもない。現状を何とかしなくては、そう思っている人たちの琴線に触れた、ということになるのだろう。究極のポジティブ・シンキングと言えるこの本。その内容に特段の新しさはない。しかし、この本には意外な活用方法がある。

変化を恐れるなと、ヒトに説くことは難しいけれども、この本を薦めることはそれほど難しいことではない。そう、自らがいる組織のなかで、変化を必要とする人間に対し、そっと気が付かせるために、この本は最適なのかもしれない。企業が一括購入し、社員に配布するケースが多いのもうなづける。

ダイナミックな変化が求められる今のビジネス社会。わかっていても身をすくめてしまいそうになる。そんな時、この本を手にとって見ると良い。ゆっくりとではあるが、確実に背中を押してくれるはずだから。