サラリーマン社会小事典
【編著者】松野弘【出版社】講談社(現代新書)
【発刊年月】2001年08月20日【本体価格】840円
【ページ数】381p【ISBN】4-06-149564-X
マトリックス組織、コア・コンピタンス経営、フレックスタイム制、転籍、出向、ワーキング・ランチ、社内恋愛……サラリーマン必須の基礎用語184項目!
本書 腰帯 より抜粋
さて、自分が今居るサラリーマン社会について、あなたはどの程度のことを知っているだろうか。会社の中のことくらいは判っているだろうが、大きな視座に立ってみると、理解していないことが多いだろう。そんなサラリーマン社会を知るための網羅的で、ユニークな用語集が出た。それが本書である。
初めに、サラリーマンとサラリーマン社会の形成と変遷が語られている。かつてサラリーマンはエリートであった。高等教育機関から作り出された、企業の経営幹部を守る立場の人であったのだ。その後サラリーマンは大衆化、フツーの人の代名詞になるのだ。今や労働人口の八割を占める。
続いて、サラリーマン社会で働くことの意味がよくわかる用語…が解説されている。役職定年制、早期退職優遇制度、メンタルヘルス対策、過労死、オープンエントリー制、アウトプレースメント、社内FA制、労災など、人事や労務について、重要で新規性の高い、実に気になるワードが並ぶ。
さらに、サラリーマン社会で企業経営のことがよくわかる用語…として、企業フィランソロピーや、機能別組織と事業部制組織など、21世紀の会社がどの方向に進みたいのかがわかるワードが並べられている。それを知ることで、自分が企業社会の中で何をすべきなのかがわかるようになっている。
また、サラリーマン社会で企業の人材開発のことがよくわかる用語…の項では、社内公募、自己実現、メンター制度など、企業が人を作るための今後の方向性が解るキーワードが書かれている。自分が受ける教育の持つ意味を網羅的に知っておくべきだということは、言うまでもない。
本書は、産業社会論を大学にて教える教授と、その人が主催する、若手から定年間際のサラリーマンで構成された「サラリーマン社会研究会」が執筆に協力している。サラリーマンの社会の中で、実際に経験した事柄を元に書かれている分、リアリティを感じる内容になっている。
一つ一つのキーワードをそれほど深く言及しているわけではないが、その言葉の意味を確実に理解することは出来るようになっている。さらに、執筆者たちは、用語批評という社会現象の分析を通じて「サラリーマン社会論」的なモノを展開しようと試みている。そこがなかなか面白い。
メインコンテンツの間に挟まれる「コラム」もなかなか味があり(=ラッシュアワー時の到着駅のトイレがどうして混雑しているのかに言及したりしている…)、通勤途中の電車の中などで、パラパラと読むには最適の一冊といえるだろう。おすすめ。
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