ぼくたちは、銀行を作った。
【著者】十時裕樹【出版社】集英社インターナショナル
【発刊年月】2001年07月10日
【本体価格】900円【ページ数】143p【ISBN】4-7976-7044-4
そもそも、ネット銀行をつくってみたい(中略)免許が必要だ、ということくらいは漠然とは知っていたものの、さて、どうやって手をつけたらいいものやら。どうやったら免許がもらえるか、なんて当然のことながら、どこのホームページにも出ていません。困ったあげくに浮かんだアイデアは免許を交付してくれるところに直接聞きに行く、という至極単純なものでした。
本書 10p より抜粋
暑さが続いて疲れてくる。仕事に対する意欲がなんとなく失せてしまう。意気のあがらないまま仕事をしては、余計疲れます。と言うことで今週は、誰もが元気になる、ちょっとしたサクセスストーリーを綴ったこの1冊をご紹介する。読めばテンションがあがること、請け合いである。
本書は、ソニー銀行という、インターネット専業の銀行を立ち上げた男が、銀行が出来ていくまでのプロセスを、自らの手で書いたものである。実はそれだけだ。が…自慢話や苦労話がほとんどの類書とは、趣を異にしている。そこに漂うのは、トホホなくらいのノンビリ感なのだ。
インターネットパンクを一から立ち上げる、大変な事業である。実際に、本書の中でも様々な苦労や壁にぶち当たってはいるのだ。事業の凍結、戦後ほとんど類の無い新銀行の設立など、その実現まで、大変な苦労があったようである。しかし、その困難…をなんとも微妙な力の抜け具合で乗り切っていくのである。これは、痛快以外の何ものでもない。
事業の準備室が立ち上がって、オフィスを求めるのも、格安というところに配慮して、そんなところで良いのか?と周りから心配される。本社の遊休資産である机などをかき集めて経費節減を狙うも、別事業体となったので、買取だと言われて焦り、オフィス用品の安売りを探して、何故か「ユニクロ」を思い浮かべてしまう(アスクルだって!)。笑える。
大したことをやってのけているのに、本人にはその意識が無い。事業のプレゼンテーションをして、役員からクエスチョンがついた時、その理由について、1.ソニーがやるべき必然性が見えない、2.言っている本人に迫力がない、と言ってのけている。十分にその力の抜け方を、自覚しているのである。それは、実は強力な自信の裏返しなのだろう…そう思えて仕方ない。
元々本書は、銀行を立ち上げ時に、ネット上の銀行なんて、顔が見えないはずだから、その「体温」みたいなところを伝えたい、と始めたメルマガをまとめたものである。読んだ後に、仕事をするために必要な「謙虚さ」と「勇気」と「粘り強さ」と「理想を持つこと」を、周りを包む「温かさ」とともに受け取れる、そんな本だ。読んでやる気がでることは保証しますよ!
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