知のミネラルウォーター
【【編者】ネイチャー・ジャパン【出版社】徳間書店
【発刊年月】2001年09月30日【本体価格】1,000円
【ページ数】189p【ISBN】4-19-861414-8
現代農業は、多くの人に原始的で非能率的だとみられている伝統的農法から、きつい反撃パンチをくらった。コメの品種を混ぜて栽培すると、単一栽培よりも病気に強いだけでなく、収穫量も増えることが最大規模の実験で示された。
本書 165P より抜粋
テレビを見ていると、宮崎アニメの魅力の秘密!というようなものが流れていた。その内容も興味深いものだったが、それ以上に心惹かれたのは、そこに登場した学者の研究内容についてだった。
蝶などの生物と、風船などの無生物の動きを、赤いポイントにして、その移動をアニメーション化して…どちらが生物的な動きか?ということを実験しているのだという。無生物の動きは、そのままでは生物的に見えないが、逆再生すると見えるという話だった。なるほど。そこで1つの不思議がある。そんな研究をして、それがどのように世の中的に生かされるのだろうか…。
まあ、何か用途はあるのだろう。しかし、素人目にはまったく不明である。長々と前ふりしたが、今回紹介する本は、そんな興味深く面白く、そして不思議な、学者先生たちの研究をコンパクトにまとめた、コラムがいっぱい詰まった本である。
例えば、スチュワーデス。この仕事には危険がいっぱいだという。休息時間なしの長距離飛行を続けると、脳内の思考と学習を行う部位である皮質と海馬の一部が萎んでしまうのだとか。要は、時差ぼけによって、脳が痩せちゃうというのだ!事実、長時間の飛行を繰り返すスチュワーデスたちの中に、記憶力減退に苦しんでいる人もいるらしい。
さらに、野菜嫌いは遺伝するのだという研究を続けている学者もいる。遺伝的に苦味を感じやすい人がいるそうで、その人たちは、芽キャベツやホウレンソウなどの果物や野菜は食べたがらないそうだ。その数は約25パーセント。男性よりも女性に多いそうだ。なるほど。
他にも、・良い成績を取るためにはまずは睡眠からだ・酒を飲むことは悪いことばかりではないこと・ヒヒの尻はどうして大きいのかということ・テレビ映像に感動するチンパンジーの話・牛のゲップが原因で地球が温暖化してしまう…など、とにかく盛りだくさんなのである。楽し過ぎる。
ビジネスパーソンに本書をお勧めする理由は1つ。それは、本書の腰帯にもあるが「脳への栄養」である。科学者たちはこんな面白い研究をしているのかというある種の「感動」や、知的好奇心を「満足」させる内容に、読むだけで脳が活性化する…そんな感じがするのだ。
そして、なにより手軽で、記述は実にわかりやすい。書店で手に取れば、この本の良さはきっとわかる。お勧めしておきたい。
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