サラリーマンサクセスストーリー

【著者】西村克己【出版社】日本実業出版社
【発刊年月】2002年05月10日【本体価格】1,200円
【ページ数】126p【ISBN】4-534-03399-0

稟議とは提案者が稟議書を作成し、部長から役員、社長にまで回覧させる。 この回覧に時間がかかるのだ。出張や会議で、役員も稟議書に目を通す時間 が少ない。机の上で2~3日放置されることもある。
本文 58p より 抜粋

近頃、若いビジネスパーソンに向けた書籍に変化が現れている。今までも社会の仕組みや今なすべきことを「やさしく」書いてあるモノは少なくなかったのだが、最近はやさしさから一歩進み「食べやすいよう噛み砕いてある」モノが増えてきた。

今回ご紹介する1冊は、その代表格といえるのではないだろうか。腰帯にはこうある。「会社組織の成り立ちから、仕事のノウハウまで、絵本のスタイルでやさしくわかる」と。そう、ついにビジネスパーソンに向けて、仕事の仕組みをレクチャーする「絵本」が登場したのだ。

ストーリーは単純。大手電機メーカーへの就職が決まった主人公が、新製品を社内公募で提案。見事採用になり、新製品開発プロジェクトのメンバーになる。さまざまな苦難(?)を経て、その新製品は大ヒットを飛ばす、というものだ。話自体は、取り立てて面白いものではない。

ストーリーの間には、「社会人のマナー」「企画ってこんなもの」「会社でのものの決まり方」「製品設計全体の流れ」といった、物語りに登場したキーワードを中心にしたコラムが挟まれている。その記述は「これでもか!」というくらい噛み砕かれていて、とてもわかりやすくなっている。

本書を読むうちに、「企画」「プレゼン」「マーケティング」「物流」「広告」「販売」など、必要なビジネス知識がどんどん身についていく。と本書の見返しには謳われている…が、それほど大げさなものではなく、ビジネスパーソンがごく常識的に知っておくべき事柄が整理されているに過ぎない。

こう書いていくと、新社会人以外には本書を薦める理由がないように思えるが…。実は新社会人を教育する立場にあるだろう、先輩ビジネスパーソンにぜひとも読んでほしい一冊なのだ。理由は2つ。

まず最初の理由は「仕事をわかりやすく説明するテクニックが学べる」というところだ。本書はビジネス社会でのさまざまなキーワードを、たとえ話、図解、イラストなどを使って、わかりやすくレクチャーしている。この技術を知らない手はないだろう。

もう1つは「ベンチマーク」だ。自分の新社会人時代とは違う、この程度のことも理解していない、自分のビジネス常識は世間とずれていないか、などを、本書をベンチマークにして確認することができる。

本そのものデザインもとても良く出来ている。バカにしないで、まずは書店で手にとって見るとよい。ナルホドのツボが、たくさんある1冊だ。