一橋大学ビジネススクール 知的武装講座
【著者】伊丹敬之/伊藤邦雄/沼上幹/小川英治
【出版社】プレジデント社
【発刊年月】2002年04月27日【本体価格】1,600円
【ページ数】355p【ISBN】4-8334-1747-2
「あの会社は官僚的だから」─。いまや官僚的であることはタブー視されている。しかし、相次いで起こる企業不祥事は、組織とはどうあらねばならないかを教えている。日本企業は自社の組織が真の官僚制組織かどうかを、チェックし再評価する必要がある。なぜなら、創造性や戦略の原点は組織にあるからだ。
本文 180p より 抜粋
本書は、「日本企業の経営課題」「企業価値を創造する経営戦略」「人と組織を活性化させるための戦略的課題」「複雑化する金融・為替を理解する」と4つの講座構成になっている。各講座は、表題にもある一橋大学の経営学修士コースの教育担当者が、分担して執筆している。
トップマネジメントから為替まで、日本企業が抱える問題点を幅広く扱い、しかも私たち(=著者たち)なりに、そうした問題をどう掘り下げるのか、その切り口を深く提供するのが本書執筆の目的だと、はしがきにある。なるほど興味深いコンテンツがギッシリと詰まっている。
最初の講座は「日本企業の経営課題」。最初の課題として、執行役員制度の流行をケーススタディとして、めまぐるしく変化するビジネスの世界を読み解くためのバックボーンを提示する。以下、経営改革が進まない原因を「ロワートップ」に求めたり、トップと現場の遊離を「社長ごっこ」にあると喝破したりと、面白く読み進めていくことができる。
次に「企業価値を創造する経営戦略」講座では、「企業価値」「株主価値」「コーポレートブランド」「流行の経営」「CBバリュエーター」「ビジネスモデル特許」「EVA」など、気になるワードが目白押しだ。
「人と組織を活性化させるための戦略的課題」講座では、組織設計の基本原理を考えるとして、官僚制組織ははたして害悪なのか?と投げかけ、また、会社組織を疲労させる原因として、「人前で大人げなくすごんだり、大騒ぎすることができる、育ちの悪さを基盤とする人」をその1つとしてあげてみたりと、興味が尽きない内容になっている。
最後の「複雑化する金融・為替を理解する」講座では、やはり「為替介入」「ハネムーン効果」「ロンバート型貸し出し」「ドル圏拡大」などの、ちょっと気になるのキーワードが、わかりやすいケーススタディによって、そのアウトラインが解説されている。
この1冊で世の中の経済・経営を読み解けるとは思わない。しかし、ここに提示されている40のキーコンセプトは、ビジネスパーソンとして、最低限知っておくべき「基礎」であるような気がする。新聞を読んで、わかった気になっている「知識」を定着するために、お勧めの本である。
![転職、派遣、アルバイトまで!求人メルマガ [en]キャリアニュース](http://columnjob.en-careernews.com/images/en_logo.gif)
