4回リストラされてもホームレスにならなかった私
【著者】トム・ロナーガン【訳者】岩田佳代子【出版社】花風社
【発刊年月】2001年08月10日【本体価格】1,200円
【ページ数】186p【ISBN】4-907725-28-0
誇りを持つ。そのためにはどうしたらいいのだろう。(略)とにかくまず、何か打ち込めるものを探してみよう。これまでの仕事を忘れるほど没頭できるものが必ずあるはず。その際、自分が探したくて探しているのだということを忘れずに。決して、探させられているのではない。間違えないでほしい。あなたの方から会社を見限ったのだ。
本書 65p より抜粋
「痛み」を伴う「構造改革」が実施されたとして…あなたの「首」は大丈夫ですか?厳しい現実に直面しているとき、不安な気持ちだけでは立ち向かっていくことは出来ないはず。4回もリストラをされながらも、そのたびに逞しく立ち上がった男の「勇気」と「知恵」を、開陳したものが本書である。
本書では、クビを切られた原因の大半は、自分に責任があるのではないとしている。自分がクビを切られたのは、他の誰かが、計画通りにコトを運ぶことが出来なかったため、なのだとしている。なるほど、モノは考えよう、実にポジティブである。
さらに、仕事を求めるために、友達やクビを切った上司へアプローチするための方法も書かれている。例えば、友達が「話し掛けやすい」ように、自分のリストラ劇を、「決心したよ、仕事を変えようと思ってね」などと、上手に脚色することなどがそれである。この視点はなかなか面白い。履歴書や面接などといった、求職時に必要とされるテクニックも解説されている。
また、それでもダメなときというわけではないだろうが、起業するためのテクニックも披露されている。右へ行っても左へ行ってもダメなとき…きっとあなたはどちらへ行こうとしていたのでもない、真ん中を進もうとしていたんだ、と言うことだろう。これまた、ポジィティブ・シンキングである。起業時に必要なユニークな心構えが書かれている。
これらのスキルを見ていて気がつくのは、前向きな人生を歩む筆者は、その行動の裏打ちとして、相手の求めていることを読んでいるということ。本書の最大の肝は、実のところ、クビになった焦りを持つ自分では、到底考えられそうにない「相手(=受け手)の心理」を紹介しているところにある。この心理戦、どんなビジネスシーンでも有効であることは言うまでもない。
短いが適切で今すぐにでも活用できるアドバイス、心を高揚させ前向きにしてくれる視点移動、ユーモア溢れる筆致、どれもが、読む人を勇気付けてくれることは間違いない。腰帯にもあるが「厳しい時代を生き抜く最強の仕事観」を作るために、読んでおいて損はないだろう。ピンチをチャンスに変えるために、一読を薦める。
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