消費の正解
【著者】松原隆一郎/辰巳渚【発行】光文社
【発行年月】2002年12月20日【本体価格】1,300円
【ページ数】307p【ISBN】4-334-97370-1
ブランド財布に5万円と温泉旅行に3万円…成熟した消費はどっち?ランキングに入ったものをつい買ってしまうのは悪い習慣?トイレットペーパーに花柄がついているとお得?新商品・新発売に惹かれてしまうのはどうして?
本書 見返し より抜粋
最近良く思うことがある。私たち「消費者」は、なんだかバカにされているんじゃないかと。店頭には「流行りモノ」ばかり並び、それを「買わされている」感じがして仕方ないのだ。例を挙げればペットショップ。今並んでいるのは「チワワ」ばかりという有様…。
そもそも「消費」とは何なのだろう?「消費者」とは一体誰なのか?という疑問に迫っていくのが、本書の狙いだ。多くの著書を残す、社会経済学者の松原隆一郎氏と、著書『「捨てる!」技術』で有名なマーケティングプランナー辰巳渚氏との対話形式で、本書は構成されている。
最初のテーマは、「エルメスで買い物をする人が、100円ショップでも買い物をするのはどう理解すればいいか」について語る。確かに、高級ブランドのバッグを片手に、100円のハンガーを大量に購入しているのを見かける。不思議といえば不思議な光景かもしれない。
そういう人たちは、エルメスで買い物をする時、「一生モノなんだし、60万円でも高くない」と言い、100円ショップでは「安いし、モノだっていい」と語る。筋が通っているようでいて、何か変だ。
そのような「消費者」を理解する場合、商品の「コストパフォーマンス」を考えると、話が良くわかるようだ。
「高くていいもの=ブランド品」「安くてもいいもの=100円ショップ」と、きちんと評価できる感覚を、最近の消費者は自然と身につけているのだという。「価格だけが価値じゃない」という考え方を、コストに対するパフォーマンスを、様々な軸で判断し、使い分けることで、自身が満足すると。
このように本書では、12回分のゼミナールとして、身近で素朴な消費の疑問を究明していく。その様子をライブ感覚で参加できるのも、読むものに飽きさせないつくりだ。各回、章末に「わかったこと」「読者への問題提起」として、まとめを確認することで、さらに理解も深められるのも有り難い。
本書を読み終えると、自分の「消費」に対する認識が変わるだろう。例えばコンビニでサラダを買う時に、ドレッシングが別売になっていることや、レジで「箸をお付けしますか」と聞かれることに対して、「生産者の」の意図が見えてきて、消費することに「クリエイティブ」を感じられるからだ。
最終章は、それまでの議題を踏まえてのテーマ『消費者は「バカ」なのか』という、派手なタイトルで読者を挑発する。豊富な知識と情報を併せもつ二人のディスカッションから、消費の深くを学ぶことができる。オススメ。
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