スイス銀行体験記

【著者】野地秩嘉 【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2003年02月27日 【本体価格】1,500円
【ページ数】216p 【ISBN】4-478-62056-3

□実際に1500万円でスイス銀行に口座を作った著者のリアルな体験記
□超一流プライベート・バンクの運用と相談の具体的な中身が初めて明かされる!
本書 腰帯 より抜粋

2002年、民間の格付け機関ムーディーズ・イノベーターズ・サービスが日本政府の円建て債務格付けをAa3からA2へと2段階引き下げた。これは解釈のしようによっては、海外の人たちは「日本政府の借金返済能力の行く末を心配」しているとも考えられる。しかし、それに対して財務省は「ムーディーズは許せん」と拳を振り上げた。

彼らは、歴史上、こんなに借金を増やした国はない、と忠告してくれているのにである。今後日本は、非常時の経済対策を採用するしかない、我々は非常時を想定し自分の資産を守り、運用していかなくてはならないと、本書の著者は強く説く。

そして、筆者は思いもよらない話を始める。日本の資産家たちはすでに、自分の資産を、海外の、それも「プライベート・バンク」という、小説や劇画の世界にしかなかったような場所に、移転し始めているというのだ。日本のコマーシャルバンク(商業銀行)では危ないと…。

本書で紹介する「プライベート・バンク」は、個人客だけを相手にした銀行のことである。ある企業が100億を持ち込んで「取り引きしたい」と言っても、彼らは断る。欧米では銀行の役割が明確になっているのだ。そう、まだ日本には純粋なプライベート・バンクは存在しないということだ。

プライベート・バンクの大きな特徴は5つ。

1.あくまで個人資産家の財産を長期的な管理・運用に特化する。
2.いくつもの国に支店を置き、国がなくなるリスクまで想定している。
3.系列金融機関の金融商品の押し売りはしない。
4.簡単に取り引きできるわけではない。客の身元を厳しくチェックする。
5.客の秘密を守る。それが国の法律で縛られている。

本書は、著者自身と客が体験したプライベート・バンクのリアルな姿が載っている。著者は今回の取材を通して、お金持ちではない人がお金持ちになる種を見つけることができたという。だから現在お金持ちでない人が読んでも本書は役に立つだろう…。

資産・金融関連の書籍の多くは、専門家が書いているため難解な専門用語や読解するのに苦労するものばかりだ。本書は平易な文章で読みやすく、ドキュメンタリー形式で構成され、読むものを飽きさせない。

近い将来、外見ではわからない、プライベート・バンクに口座を開き、マネー・コンシェルジュを使いこなす人が、微笑する姿が目に浮かぶと、著者はいう。プライベート・バンクが、ある意味で「究極のブランド」になる日はそう遠くないだろう。オススメの新刊。