数学で身につける柔らかい思考力

【著者】ロブ・イースタウェイ ジェレミー・ウィンダム
【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2003年06月05日 【本体価格】1,500円
【ページ数】206p 【ISBN】4-478-82008-2

なぜ月曜日はすぐにやってくるのか?
うわさ話と伝染病はどこまで広がるのか?
なぜ天気予報は当たらないのか?
画像データはなぜ圧縮できるのか?

本書 見返し より抜粋

「論理的…」、「図で…」など、思考力を身につける書籍は最近多く見かける。しかし、今回紹介するのは「数学」を意識した思考力本だ。

学生時代、苦手だった数学に対して「将来、絶対必要のない学問」と、自分に言い聞かせていたことを思い出す。「円の面積、関数、確率」など、考えただけで、頭痛がする人も多いことだろう。それは当時の数学の授業が「成績表のための数学、テストのための公式」だったからだ。

現在は、少しずつその点は改善されてきているようだ。数学を抽象的な理論からではなく、日常生活に関わる現実的な例から始めなければいけない、ということが、周知のこととなってきている。数学の抽象的な概念は、馴染み深い場面に当てはめてみないと、多くの人は理解も納得もできないのだ。

本書の内容は、「どうすれば理想の結婚相手を選べるか」「絶対にヒットする曲を作る方法」「なぜ月曜日はすぐにやってくるのか」などの16の疑問を、数学的アプローチで掘り下げる。ここでは、「理想の結婚相手」を選ぶ数学的方法を紹介しよう。

例えば、年間10回のデートが出来るお見合いクラブがあったとする。そしてこちらがプロポーズしさえすれば、必ずその人と結婚できる設定とする。10人のうち1人が最高の相手で、1人が最悪の相手となる。最高の相手と結ばれる確率は10分の1だ。一度断ったら後戻りはできないものとする。

だが10人に会う順番は分からない。ここでは、最初にあった人に決めてしまう方法は賢くない。当然他の人と比べたいところだ。1つの方法として、最初の相手をまず断る。残りの9人から、最初の人より良い相手を選べばいい。これで10分の9の確率で最初の相手より良い人と結婚できるだろう。

だが、最初の相手が最高の相手だったらこの作戦は失敗だ。それなら、基準にする人を増やせばいいという。初めの3人とまずデートをする。その後、その3人の誰よりも高得点だった最初の人にプロポーズをするという方法が数学的に最適な方法だというのだ(詳しくは本書を参照して欲しい)。

いかがだろうか。数学の授業が盛り上がることは間違いないだろう。本書の内容は単に、これらの疑問を解決するためだけのものではない。本書で数学的意識を高めていくことで、普段の生活に、ひいてはビジネスに応用できることを期待しているのだ。読み物としてもかなり面白い。オススメの一冊!