3びきのこぶたと学ぶ やさしい会計

【著者】松井浩一
【発行】総合法令出版 【発行年月】2003年12月09日
【本体価格】1,200円 【ページ数】175p 【ISBN】4-89346-820-0

・会計って何なの?
・仕訳ってどういうものなの?
・決算でやるべきことは何なの?
・貸借対照表や損益計算書は何のためにつくるの?
・経営分析ってどんなふうにやるの?

本書 腰帯 より抜粋

書店では、「会計」に関する書籍が多く並ぶ。貸借対照表や損益計算書を読みとることで、会社の経営状態を理解するためにと、そのニーズは次第に高まってきた。しかし問題は「難しい」ことだ。多くの専門用語や計算方式、簿記の知識や数字に弱い読者は、頭を悩ましてきたことだろう。

本書は、会計本の入門中の入門“楽しく読める会計の絵本”なのだ。ページ数も少なく、この上なく平易な文章。これまで会計のことで理解に苦しんだり、もう一度最初から勉強したい人には、ピッタリの書籍だろう。

内容は、3匹のこぶたが会社を設立し、経営していく中で直面する困難に立ち向かっていくというもの。起業から経営していく中で常につきまとう「会計」。本書は絵本を読む感覚で、会計の基本的な知識を自然に勉強できてしまう代物なのだ。しかし、中身は終始リアルで実践的な構成だ。

長男のこぶたが社長、次男のこぶたが営業部長、末っ子の「トロン」は経理部長という肩書き。彼らは初めて会社を立ち上げるので、設立の手続きやお金の流れ、決算のことなど知る由もない。そこで経理部長のトロンは何かトラブルや疑問を持つと、公認会計士(キツネ)のもとへ足を運ぶのだ。

キツネは実に親切で、3匹のこぶたたちに会計の“イロハ”を丁寧に教えてくれる。会計の基本「複式簿記」とは何なのか、「借方・貸方」の考え方や覚え方など、読んでいて頬が緩むくらい優しく解説してくれる。

3匹のこぶたは、クルマが好きだということで、自動車販売の会社を設立することに。そして後半には童話でお馴染みのオオカミ(ライバル会社社長)も登場する。オオカミは彼らよりも安価で、大量にクルマを売りさばいていく。顧客を失った彼らは、ライバル会社の調査を始めることに。

物語を読み進めていくと、“古い態勢で経営が困難な、実存する会社”を如実に映し出しているようで面白い。肩書きだけはしっかりしているが、社長と営業部長は実質働きが悪かったり、保身に奔走したりする。設立から、経営、販売まですべて現場の役者が抑えていることからも頷ける。

本書は、可愛らしいイラストとともに、楽しく理解していける会計の良書といえる。勤めている会社の経営状態や体力を把握するためや、これから起業を考えている人など、「会計」を知るべき必要を感じている人は、本書を一読することから始めるのもいいだろう。