店はこうして生まれ変わった!
【著者】笹幸恵【発行】ダイヤモンド社
【発行年月】2004年03月11日 【本体価格】1,700円
【ページ数】276p 【ISBN】4-478-560-8
業績の低迷した小売ベンチャーがある日、社長の決断で「店舗改善委員会」を発足。やる気に満ちた若手社員を選抜し、不振店舗の改革に乗り出した。
本書 腰帯 より抜粋
デフレ不況の中、業績に伸び悩む企業が喘いでいる。社員のモチベーションも下がる一方。そんな中で、見事に業績改善を果たした企業があった。本書は、業績不振に陥った組織を再生に導くノンフィクションストーリーだ。
あるコンタクトレンズメーカーに務めていた社員が、「安全で快適なコンタクトレンズ」を「安く」お客様に提供したい、という思いから独立を決意。後に、(株)日本オプティカル代表の長村隆司氏として世に名を馳せることになる。
長村氏は創業から13年で150店舗(2002年9月時点)を全国に展開させ、会社をジャスダックに上場させた敏腕経営者である。経営は順風満帆と思われていた矢先、顧客からの相次ぐクレーム、それに比例し売上の下落が目立ち始めていた。そこで長村氏は業を煮やし、再編に向け動き始めた。
日本オプティカルは、それまでエリア内の知名度を高めるドミナント出店を基本としてきた。これを、個店ベースでの販促を重視する方向へ転換。全国各エリアから選抜された若手社員を中心に「店舗改善委員会」を発足する。
この委員会は、2年間という期限付きで、業績不振店舗を高収益店舗として生まれ変わらせることがミッション。1店舗につき約2ヶ月で全国各地の店舗をまわり、結果を残さなければならない。しかも業績不振店舗なだけあって、行く先々で問題は山積していた。
競合対策や広告戦略を怠っていたり、もっと内的な要因、例えば店長の指導力・統率力不足、スタッフの専門知識や販売技術の不足、販売意欲の欠如など、長村氏の目の届かないところでは、散々な有り様だったことがわかる。
委員会が各店舗を立ち直らせるストーリーが大半だが、この過程は面白い。競合がひしめく商圏における販促・広報活動や、指導すればすぐに泣き出してしまう店長、委員会と店舗の確執、委員会と本社の軋轢など、当然だが全てがリアルなのだ。組織のトップと末端の実情が如実に描かれている。
特筆すべきは、委員会のメンバーがほとんど20代の若者だったことだ。会社の将来を左右する壮大なプロジェクトを、若手に託す企業のスタンスに惹きつけられる。小売業の視点に徹して業績改善をテーマにした本書ではあるが、役に立ち学べることも多い。ぜひ多くの方に読んでいただきたい。
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