これだ!と思える仕事に出会うには
【著者】シェリル・ギルマン【訳者】ニキ・リンコ【出版社】花風社
【発刊年月】2001年12月25日【本体価格】1,600円
【ページ数】293p【ISBN】4-907725-36-1
私は以前、ヨガを教えていたことがある。講師になろうと決心したのは「人に教えるとなったら、いやでも必死で練習せざる得なくなって、よく身につくだろう」と思ったからだ。だから、近所の生涯教育センターに行って、ヨガを教えたいという話を持ちこみ、スタジオを開き、ヨガの本をありったけ買いこみ、週に三回ヨガ教室に通って講師の資格を取った──このとおりの順番で。
本文 192pより抜粋
不況だ、リストラだと、厳しい労働環境にあるはずなのに、だからこそなのか「自分の好きな仕事に就く」という視点での職探しが、ひそかに(といっては変だが)ブームである。要は「天職を見つけるために転職したい(下手なシャレだと笑わないように!)」人が増えているということなのだろう。
本書は、数多くの「天職探し」を助けてきた「天職・転職コンサルタント」が豊富な事例を交えて語る本当にやりたい仕事を見つけてゲットするためのスキル──を紹介した本だ。と、腰帯にはある。なるほど、アメリカにおいての「好きなことを仕事にする方法」が、詳細に書かれている。
まず、今の自分の仕事を見直すことにより「今の仕事の中にも、自分のやりたいことはあるのでは?」ということを気づかせようとする。実のところその行為は、仕事について「正面きって向き合うためのトレーニング」の一環に過ぎないのだが…。今の自分を正しく見据えるところから本書は始まる。
次に、転職という「冒険色の濃い」アクションを起こす際に生じる、さまざまなネガティブな要素を「本当の安全とは何か?」と問いを立てることによって、その不安を取り除かせる構成に、本書はなっている。また、実際に生じるストレスに立ち向かう方法も紹介されているのも嬉しい。
さらに、読者の持つ「創造力を解放させる」ことによって、ポジィティブな考えを志向させ、小さな頃から思い描いてきた「仕事への理想」を思い起こさせることで、なりたい仕事へ気持ちをフォーカスさせている。追い討ちをかけるように、人生の目的についても本書は掘り下げさせるのだ!
自分のやりたい仕事を「あぶり出させておいて」実際にその仕事に就くための手段として、本書ではいくつかの具体案を提示する。「今いる場所でそれを見つけ出す」という極めて現実的な提案から、「自分が習いたいことを教えてしまえ」と、いささか強引な手口まで、バラエティに富んでいる。
その他にも、自分を売り込むコツなど、役に立つだろう「スキル」が満載の一冊である。それぞれの項目に「演習問題」がついている。本書を手に取ったら、ノートを用意して、設問に丁寧に解答すれば、かなり自分自身のことが「客観視」できるだろう。
流し読みして「何かが得られる」類の本ではない。しっかりと繰り返し読み込んでこそ「価値のある一冊」だろう。本メルマガ読者には、お勧めの一冊である。ただし、訳文はこなれているが、構成が洗練されていないからか、若干読みにくいかもしれない。頑張って読んで欲しい。
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