「課長」の作法

【著者】山田敏世【出版社】NHK出版
【発刊年月】2002年03月10日【本体価格】640円
【ページ数】189p【ISBN】4-14-088022-8

部下の期待に応えつつ上司にも信頼され、さらに上にも下にもこびることな く独自のスタンスを貫ける課長になるためには、「開放性」「包容性」「正確性」「一貫性」の四つが重要です。
本文 67p より 抜粋

課長の仕事とはなんだろうか?部下である課員はもちろんのこと、現在課長を務めている方でも、的確に答えられる人はそれほど多くないだろう。重要な役割ではあるんだろうけれども、なんとなく茫洋としてつかみどころのない役職、それが「課長職」である・・・という感じがする。

本書は、ビジネスマナー・秘書実務の講師でもある筆者が、組織人として、またチームリーダーとして、課長が求められるもっとも基本的なビジネスマナーとは何か?また、上司からも部下からも信用される「課長」とはどんな人物なのか、やさしい語り口で伝授してくれる。

述べられているポイントは、ザックリ大別してしまうと2つ。1つは「おかしな振る舞いはしていませんか?」ということ。そして、もう1つは「部下をきちんと指導できていますか?」ということ。たった2つのことだけれども、ずいぶんと耳が痛い「指摘」が並んでいるのだ。

例えば「振る舞い」に関して。「ちょっといいですか」と部下が話しかけているのに、「いいよ、何?」と言いながら、実はパソコンから目を離さず、マウスを動かして、ながら聞きしている・・・こういう人は、自分では話を聞いているつもりでも、部下の評価は「話を聞いてくれない課長」となる。

実際の自分自身がイメージしている行動と、部下や上司の評価にズレが生じることが、自らの評価を落としている、ということがわかる。自分の普段の態度が「そのポジションにふさわしく」振舞えているのか?この本を読み込めば、自身の問題点が少しだが浮き彫りになってくる。

さらに、部下を「出る杭を育てる」と題して、どのように「やる気を出させて」「能力を伸ばして」「組織人としてのマナーを身に付けさせる」のか。遅刻はいけないこと?マナーを学んでも金になるの?など、頭が痛くなりそうな、しかし、 わかりやすい事例を示して紹介している。かなり面白い。

今、課長職に就いている方はもちろんのこと、組織に所属するビジネスパーソンにも、本書は広く読んでいただきたい1冊である。課員は、課長が望むことを先回りして理解し、望まれる部下になるためのツボをチェックするために、お勧めしておきたい。新書なので、サクッと読めるのもマルである。