ウォー・フォー・タレント
【著者】エド・マイケルズ/ヘレン・ハンドフィールド=ジョーンズ
ベス・アクセルロッド/マッキンゼー・アンド・カンパニー監訳
【訳者】渡会圭子
【出版社】翔泳社【発刊年月】2002年05月17日【本体価格】2,200円
【ページ数】277p【ISBN】4-7981-0149-4
何十年にもわたり、これが多くの企業にとっての求人活動風景だった。採用 担当部署が求人広告を出せば、仕事を欲しがっている人々が門前に列をなす。 あくまで企業が主導権を握り、だれを雇うかを決定した。雇われる側に、力 はほとんどなかったのだ。現在では、もちろん話はまったく違っている。パ ワー・バランスが、有能な人材の側に傾いているのだ。
本文 118p より 抜粋
人材が企業盛衰の鍵を握っており、優れたタレントの獲得と育成の必要性が叫ばれているのは周知だろう。ウォー・フォー・タレント=人材育成競争と名づけられた本書は、マッキンゼーが実施した調査に基づき、人材を重視する理由、有能な人材の集め方、人材を育てるノウハウを明らかにしている。
マッキンゼーは、「人材育成競争」に勝つための5つの行動指針を、次のように述べている。1.マネジメント人材指向こそ経営層の要件。2.人材を引きつける魅力の創出。3.リクルーティング戦略の再構築。4.マネジメント人材が育つ組織。5.人材マネジメントにおける選択と集中。以上だ。
まず、1番目の「マネジメント人材指向」とは、組織の仕組みや考え方の中心・主軸を、マネジメント人材の強化・育成とするような意識や企業文化のことを言う。これは、人事部で出来ることではなく、社員の意識付けが大切になることは言うまでもない。トップのみならず、ミドルレンジまでの管理職にも、この人材を指向するべきだとしている。
2番目の「人材を引きつける魅力の創出」とは、企業は顧客に対する価値を提供しているはずだ、それと同じくらい人材に対しても「訴求価値」を創出すべきだと説いている。人目を引く「働くべき価値」とはなんなのか。アメリカ企業のケーススタディで知ることが出来る。
3番目の「リクルーティング戦略の再構築」は注目だ。優秀な人材はすでに企業のしかるべきポジションに納まってしまった-という前提に、求職のために列を成した人の群れから、選ぶという採用方式は陳腐化している、と言う。しかし、その割には、企業の採用方式は遅れているとも指摘する。
アメリカのエクセレントカンパニーの事例をベースに、それぞれの項目を具体的に解説、進むべき道筋を提案している。日本の実情も巻頭にコンパクトにまとめられ、人材育成競争の現状と課題をパースペクティブに見ることが出来る1冊に仕上がっている。
本書は、組織におけるあらゆるレベルのリーダー=社員を管理する立場にあり、社員のキャリアと成功に影響力を持つすべてのリーダーに向けて書かれたものだとされている。心当たりのある人は、ぜひとも熟読すべきだろう。成長するだろう企業が、あなたに求めている役割が、ここに書かれている。
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