あなたのパラシュートは何色?

【著者】リチャード・N・ボウルズ【監修】リクルートワークス研究所
【訳者】花田智恵【出版社】翔泳社
【発刊年月】2002年09月10日
【本体価格】1,600円【ページ数】307p【ISBN】4-7981-0237-7

そもそも人間の寿命より、会社の寿命のほうが圧倒的に短いので、好むと好まざるにかかわらず、転職という問題に直面するようになりました。どうしても、自分のキャリアについて考えざるを得なくなったのです。
本文 305p より 抜粋

とても売れている本で、今さら取り上げるのもどうかと思ったが、やはりかなり面白い一冊であるので、紹介することにした。あのベストセラー「経済ってそういうことだったのか会議」の法律版のような本である。ただし、会議を行っているメンバーは違うけれども。
アメリカ人は生涯に平均8回も転職するらしい。その転職社会アメリカにおいて「バイブル」と崇められ、全世界10以上の言語に翻訳され、700万部も売れている、そんな本がついに日本に登場した。それが本書「あなたのパラシュートは何色?」である。

職探しとキャリア・チェンジのための最強実践マニュアル~と銘打たれた本書は、単なる転職ガイドとは一線を画している。誰もが心に思い描く「夢の仕事」をつかむためのノウハウがギッシリと詰められているのだ。

本書ではまず、自身が何を求めているのかを整理するように要求する。職探しは「従来型の」必要に迫られたものなのか、それとも「人生を変える」自分自身が本当に就きたい仕事を見つける職探しなのか。まずは、そのスタンスを明らかにせよとする。

そして、職探しの方法や、就職・転職の秘訣など、細かな「技術」が紹介されている。それは、おおよそ実践的で、即役立つノウハウである。こんな細かいところまで…と思わず笑ってしまうような記述も少なくない。

さらに、自分が本当に就きたい職業、自分が持っているスキル、そして、なりたい自分になるためのステップ…そう、夢の仕事をつかむためのコツとツボが、綿密なエクササイズプログラムとともに紹介される。実は本書の肝はココだといっても過言ではないのだ。

ここでは詳細に書くことはしない。実際に本書を手にとって読んでみて、そしてエクササイズを一つ一つ丁寧にやってみること(=これが肝心)。結果現れた「本当の自分」を「見直して」みるとよいだろう。

さらに、転職は、会社勤めだけではない「アメリカ流」を反映しているのか「事業を起こすには」という章も用意されている。その事業の探し方から、うまくいかなかった場合の撤退、その場しのぎの方法まで、細かく書かれているところも、かなり興味深い。

アメリカ流の転職ガイドなので、日本の実情とかけ離れているのでは…という心配は無用。監修者が日本の労働に関するデータを、詳細な部分まで実に豊富に紹介しているからだ。知らなかった、日本の労働環境に関する様々な数字や実態が並んでいて、ここを読むだけでも面白い。

冒頭でも述べたが、本書は単なる転職ガイドではない。むしろ「自分探しのノウハウ」が満載された1冊と考えると良いだろう。自身を見直してみたいと考える読者の皆さんは、ぜひ店頭で手にとって見て欲しい。イチオシ。