働くことの意味がわかる本

【著者】飯田史彦【出版社】PHP研究所
【発刊年月】2002年08月14日
【本体価格】1,000円【ページ数】150p【ISBN】4-569-62375-1

「働くこと」そのものには、意味などありません。しかし、「自分が働くことによって、自分や誰かや何かに与えるさまざまな影響」については、それぞれの人が、自分なりの答えを見出すことができます。
本文 9p より抜粋

社会に出て働くようになってから、働くってどういうことだろう?と自問したことがない、という、ある意味幸せな人は、どのくらいいるのだろうか?生きがいに関するベストセラーを持つ筆者が、若いビジネスパーソンに向けて「働くこととはなんだ?」ということを、解いている。

まず、冒頭で「働くことそのものには、意味などありません」と、本書は言い切ってしまい、いきなり読者を混乱させる。「働くことには、どのような意味があると思いますか?」という質問に、世の中のほとんどの人が、明確な答えを持ち得ないところから、働くことについて、論を進めていく。

まずはじめに「働く」とはどういうことなのか、それを定義付ける。働くとはいったい何なのか?働くことによってもたらされる真情は、どのようなものであるか?職場についてはどのように考えればよいのか?詳しく書くと、読む楽しみが減るので割愛するが、頭がどんどんとクリアになるのだ。

例えば「働くことは、○○である」という言葉で、心情を描写する。働くこと=使命・悦楽・災難・苦痛・試練…字を読んだだけで、ああ!と、思わず同意してしまうキーワードで、働くことによって起きている気持ちの部分を整理してくれる。

さらには、仕事が生むさまざまな価値として、仕事が「自分に与える影響」と「自分以外のものに与える影響」に分けて、解説をしている。その広がりと、考える要素の「もれなく感」が、とても興味深い。

また、本書では、働くことを、様々な観点から眺めている。これがかなり面白い。その一部を羅列してみると、

働くことは「人間の本能」だと考えてみる
働くことは「悟りを開く手段」だと考えてみる
働くことは「サッカーをするようなもの」だと考えてみる
働くことは「回転寿司を食べるようなもの」だと考えてみる
働くことは「カラオケで歌うようなもの」だと考えてみる

全部で20。そのどれもが、なるほど「働くということ」には、そういう側面はあるなぁと、納得してしまう「ツボ」なのである。

本書は、社会人経験の浅い若年層に向けて書かれている。しかし、後輩や部下がいるような、社会人のベテラン選手も、目を通すことを勧めたい。悩んでいる後輩に的確なアドバイスが出来るようになる、それ以上に、自身の働くことについての考え方が、明確化することは間違いないからだ。