デジタル社会論
【著者】武田徹 【出版社】共同通信社 【発刊年月】1999年11月9日
【本体価格】1700円 【ページ数】 269P 【ISBN】4-7641-0435-0
デジタル化の動きを伝える情報は確かに増えている。新聞記事がそれに触れる機会は当然のごとく多くなってきているし、関連業界の潤いが広告出稿力の増加に繋がってきていることもあって専門雑誌の類も数多く創刊されている。
だが、僕はそうした趨勢を長めながら、隔靴掻痒の思いを抱いてきた。今、デジタル化を遂げつつある社会で本当に何が起きているのか。それが分かるようで分からない。豊富な情報量が報じられているようで、核心の部分に手が届いていない、もどかしい感じがするのだ。
同書 P6から引用
冒頭の引用にもあるように、最近のデジタル化のスピードは信じられない程急速に進んでいる。そして、この波を捕らようとして、私達の生活やビジネスの変化をテーマとした雑誌や書籍が数多く創刊されている。しかし、そんな状況において、逆にふと不安になることはないだろうか。今起きているのは一体どんなことなのだろうか、と。
さて、今週紹介する『デジタル社会論』は、このようなデジタル化の波の中、私達の周りに起きていることは、いったい何なのか、というテーマに鋭く切り込んだ1冊だ。取り上げる主題は幅広い。「恋愛の未来系」「広告ビジネスとネット社会」 「デジタル宗教」「電子本」「表現の自由」そして「パソコン教育」。そんな様々な切り口から、「今、現在起きていること」を切り取ろうとする筆者の姿勢は、デジタル化という流れの中で起きている事を垣間見せてくれる。
『日経ゼロワン』に寄稿されたルポタージュ「デジタル・ラプソディー -今、デジタル社会で起きていること」の1998年8月号から99年10月号までをまとめたこの1冊。記されている内容の多くが、随分昔に起きた出来事のように感じることにこの世界のあまりに急速な変化を実感する。しかし、この速度は、私達の周りで、いや私達に起きている現実そのものなのだ。
これからも、今まで以上にデジタル化は急速に進んでいくことだろう。そして私達の生活や、ビジネスのあり方を根本的に変革していくことだろう。だから、今起きている事はなんなのだろうか、という問いを、私達はよくよく考える必要があるのではないか。どういう時代に生きているのかを認識しておくことは、これからのキャリアを考える時、重要なことだと思うからだ。
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