インターネット社会の幻想
【著者】牧野武文 【出版社】アルク 【発刊年月】1999年01月30日
【本体価格】880円 【ページ数】 207P 【ISBN】4-87234-995-4
インターネットでビジネスチャンス、インターネットは無法地帯-。まことしやかに巷に流れる賛歌や苦言は果たして本当なのか。人類史上まれに見る発明品、インターネットにまつわる<正しい使い道>を解き明かす。
同書 表紙 より
読み・書き・算盤シリーズ最終回。算盤=商売人の必須ツール=現代ではコンピュータやインターネット。それを使いこなすことは、ビジネスマンのリテラシーであることは、疑いようがない。しかし、使えるということと、使いこなすということは、実は違う。使うためにはスキルを身につければ良いが、使いこなすにはポリシーを持つ必要がある。しっかりと活用するためには、コンピュータやインターネットに対する考え方を、客観的にそして明確にするコトが大切なのだ。
書店に出向いてみても、使うための書籍は多いのだが、使いこなすためのセオリーが記されたものは少ない。今回は、インターネットを客観視するための貴重な一冊を。
この本の素晴らしさは、インターネットの有益だと思われていた部分を、かなり明快に否定し、インターネットの持ついかがわしさを、裏づけを持って安心させるところにある。
例えば、電子メールでは仕事にならないことを紹介する。ビジネストレンドである、電子メールでの打ち合わせを、真っ向から否定するのだ。納期が遅れそうだ、と連絡、まずいといわれ、二日ほど欲しいと願い、では半分だけでも先に送れ、という内容を、電話なら1分程度で済むのに、電子メールなら、最低4度はやり取りが必要になる、非効率だ、と切って捨てる。なるほど、その通りである。電子メールは、その良さが十分にあるが、それだけを盲信していてはいけないのだ。すべてを礼賛するわけではなく、問題点をベースにして使いこなすことで、より実戦的なインターネット利用が可能になることは、容易に想像できる。
その他にも、モバイル、SOHO、インターネット通販など、インターネットの実際を、ニュートラルな立脚点で記している。今年初めに書かれた本で、既に若干古くなっている部分もある。しかし、インターネットとは何だ、その価値をクリアにしておきたい、そんな人にはピッタリの本である。一読をお勧めする。
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