bウェブ革命-ネットで「勝つ」5つの戦略

【著者】ドン・タブスコット デビッド・ティコル
アレックス・ローヴィー
【出版社】株式会社インプレスコミュニケーション
【発刊年月】2001年02月11日【本体価格】2,500円【ページ数】415p
【ISBN】4-8443-1467-X

だれでもマーケティングの4P、つまりプロダクト(商品)、プライス(価格)、プレース(場所)、プロモーション(宣伝)を知っているはずだ。4Pは、「企業が顧客に商品を売り込む」という、支配力に基づく単純な一方通行のパラダイムに支えられていた。(中略)bウェブは、こうしたすべての活動を一変させる。
本書 318ページ より

ITビジネスはドッグイヤーと言われ、注目すべき「キーワード」や「コンセプト」が目まぐるしく変化している。しかし、ビジネスそのものの変質というアクションは、大きな流れになっており、もはや揺るぎない。インターネット経済の本質を知り、成功を収めるためには、その潮流を見失わないことが必要だ。今回取り上げる本には、その流れが書かれている。ITビジネスに携わっている人はもちろん、あまり関係がない人にも刺激的な1冊だ。

まず、この本のキーワードとなっているbウェブについてカンタンに説明しておこう。本書ではまず、「工業化時代の企業が資本を具体的に形にしたものなら、bウェブは、デジタル資本を具体的な形にしたものである」とある。概念だけだと、かなり難しい。

要は、経済活動にかかわるソースは、それが例え消費者であれ、流通機構であれ、すべてネットワークにより繋がり互いに影響しあう、これからの普遍的なビジネスプラットフォームを、bウェブと呼ばせている。そして、そのプラットフォームの覇者になるための戦略が書かれているのだ。その記述は難しくもかなり興味深い。

また、bウェブで勝ち抜くために、本書では次の概念が提示されている。「広場」「アグリケーション」「バリューチェーン」「アライアンス」「流通ネットワーク」の5つだ。それぞれの概念は、それほど珍しいわけではない。既に行われているビジネスモデルに過ぎない場合も多い。しかし、bウェブというコンセプトからの再整理で、気づかされるポイントは多い。

例えば「広場」の紹介の項では、今やあらゆるものの価格に交渉の余地があるという立脚点から、インターネットが、売りたい人と買いたい人の広大な広場として機能し、そして、結果として、価格が引き下がるメカニズムを作り出すことを整理している。そして、その「広場」の設計方法と収益確保の戦略にまで、カンタンではあるが言及している。

それぞれに用意された豊富な事例、導き出されているセオリーは、一読に値するものが多く、インターネットビジネスにかかわらない人にも、目を通していただきたい。しかし、この本を読み通すには根気が必要である。理由は訳がこなれていないことにある。これは、インターネット上の言葉が、日本語として定着していないからだろう。それを補って余りある「刺激」がここにはある。