マーケティング22の法則

【著者】アル・ライズ/ジャック・トラウト【出版社】東急エージェンシー
【発刊年月】94年01月15日 【本体価格】1,456円 【ページ数】 231P
【ISBN】4-88497-023-3

(私たちはいろいろのアイデアやコンセプトを”マーケティング”という旗印の下に提示しているが、それはあなたが会社のどの部署にいようと、またあなたの会社がどんな商品やサービスを販売していようとも有効である)
同書 はじめに より

まずこの本は、読み物としてとても興味深い。第1章で紹介される「一番手の法則」では、大西洋を最初に単独で横断飛行したヒトの名前は、チャールズ・リンドバーグだけれども、二番目に単独飛行したヒトの名前は?という問いかけから始まる。その名はバート・ヒンクラーである。このヒト、リンドバーグよりも腕の良い飛行士で、少ない燃料で、早く飛行することが出来たが…。家を出て、その妻も消息を知らないという、名誉を得ることが出来ないヒトだった。ねっ、オモシロそうでしょ。

このハナシの肝は、二番煎じの商品は、たいていは今一つで、成功する商品は、まず消費者の心に、最初にインプットされたブランドこそなのだ、ということだ。このイントロの後、アメリカでのハイネケンビールの成功の理由(一番優れた味ではないのに、最初に登場した輸入ビールであることから、今もシェアトップである)や、USAトゥディの不振の原因(はじめてだからと言ってタイミングが遅いと成功できない)なとが、平易な文章で述べられている。

このほかにも、カテゴリーの法則(あるカテゴリーで1番になれないのだったら、1番になれるカテゴリーを作れというハナシ)や、心の法則(市場に最初に参入することも大切だけれども、ココロの中に最初に入り込むのが大切と言うハナシ)、知覚の法則(ヒトの商品を選択する際の判断能力は絶対的ではなくベストの商品を提供しても消費者の心の知覚に負けることがある)、集中の法則(いくつも言葉を並べるよりもひとつの言葉を集中して植え付けるべきだ)など…。ギュッと凝縮された、なるほどと膝を打つ考え方に溢れている。

カバーにある推薦者の言葉だが、経営・マーケティングに求められるものは、概念枠組の組み立てと、分析力、応用力であるとある。その通りだ。まずは、概念の整理と、世の中を分析のための指針の概略を、この本から学んでおくことをお勧めしたい。きっと役立つ。