問題解決と意思決定
【著者】クイン・スピッツア/ロン・エバンス
【出版社】ダイヤモンド社
【発刊年月】1998年10月22日【本体価格】2,400円【ページ数】298p
【ISBN】4-478-49026-0
混同されることが多いが、「知識」と「情報」は異なる概念である。情報に深い思索や体験を加えることによって自分の血肉になったもの、それが知識である。(中略)本書が示す「問題解決と意思決定」という枠組みはそのかなりの部分がわれわれの知識創造の枠組みと重なり合っている。
本文 日本語版に寄せて より
ある外資系企業に勤める外国人ビジネスマンと、日本の企業の会議について話す機会があった。彼は、議題が事前に通知されていないこと、その割には、その場で話し合うだけの前提を誰も持っていないこと、結論がかなりの割合で持ち越されてしまうことなど、その効率の悪さを嘆き、何とかならないのかとぼやいていた。なるほど。
よく考えてみれば、会議の進め方なんて、ビジネススキルのひとつだと思うのだが、系統立てて社員を教育している会社は、それほど多くない(はずだ)。同じように、日本のビジネスマンは、今、直面しているビジネス上の問題を解決するためのノウハウに関するレクチャーを受けているのだろうか。たいていは、先輩などのみようみまねで、何とかやり過ごしているケースが多いはずだ。
本書は、問題解決の普遍的な手法として、クリティカル・シンキング・プロセスと題して紹介している。触りだけ紹介すると、それは、4つの思考プロセスからなる。
まずは「状況把握」=これは、起きている問題を特定するために考えられるウイークポイントを洗い出し、優先順位をつけるプロセスである。次に「問題分析」=これは、先ほどあげた問題点の中から、真の原因を見つけ出すためのプロセス。そして「決定分析」=問題点に対する対応策を検討し決定するプロセス。最後に「潜在的問題・潜在的好機分析」=簡単に言えば決定された対応策を実施し続けるためのプロセスである。
どれも、簡潔ではあるが、ツボを得た解説がなされていて、頭の中がどんどん整理されていく感じすらする。上にあげたプロセスは、至極当たり前のことであるはずなのだが、意外と出来ていないことでもある。ハウツーとして整理されていれば、有難いことこの上ない。そのほかにも、情報過多を克服するための方法、システム思考を行うためのコツとツボ、意思決定にかかわる価値観の作り方など、興味深いコンテンツが盛りだくさんである。
冒頭に引用したが、「知識」と「情報」は異なるものである。ビジネスハウツー本にある情報を、うまく知識化する、その方法論が明示されているこの本、ぜひとも手にとるべきだろう。
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