ポケモンストーリー

【著者】畠山けんじ/久保雅一
【出版社】日経BP社
【発刊年月】2000年12月10日【本体価格】1,400円【ページ数】542p
【ISBN】4-8222-4199-8

ポケモンは、人々の予想をいつも覆します。ポケモンカードも(略)「コロコロコミック」の綴じ込み付録のカードに刺激された子どもたちは、発売と同時にポケモンカードに殺到しました。難しいゲームだと言われ、任天堂をはじめとする玩具メーカー、卸問屋、小売店に敬遠されていたにもかかわらず
本文 244p より

アニメやコミックスなどと並んでテレビゲームは、ある意味、世界に誇る日本の製品であると言ってよいだろう。その中でも「ポケモン」ことポケットモンスターは、世界中の子供たちのハートをつかみ、虜にしている、ナンバーワンの製品だ。本書は、そんなポケモンが描いたサクセスストーリーを、丹念な取材と担当プロデューサーの脚注という手法により、紹介している。

ポケモンについて、全く知らないという人はいないだろう。任天堂より販売されている「ゲームボーイ」という携帯ゲーム機のアプリケーションだ。ゲームの詳細は割愛するが、テレビゲームの持つ要素に「交換する」という行動を持ち込んだ、画期的なソフトであることは、あまり知られていない。

このポケモン、ゲームからアニメ、グッズなど、トントン拍子に成功を収めたと思われがちなのだが……。実は、テレビゲームにおける新しい概念をどんどん盛り込んだために、開発はベタ遅れ、ソフトウェアの斬新さに対する評価軸の無さから、ヒットまでに周辺のバックアップが無い、ヒットしたらしたで、アニメ番組が事故を起こしてしまう、なと、一筋縄で今の地位を築いたわけではないのだ。本書では、そのあたりの「苦労話」が丹念に書き込まれている。これが、ポケモンを知らない人でも、かなり面白い。

また、テレビゲームのキャラクターが、マンガに、アニメに、映画に、グッズにと、水平展開されていくのだが、プロデューサーたちの戦略的でいて、大胆な行動、緻密な計画に、驚かされること多数である。成功すべくして、ポケモンは成功したんだなと、思わず唸ってしまう。ビジネスチャンスを見つけ出し、誰をターゲット(=消費者・社内の両方)にすれば、このプロジェクトは成功するのか…。本書から、その勘所を学ぶことが出来るだろう。

腰帯に日本初の「親子で読めるビジネス書」と銘打つだけあって、本書は振り仮名がついている。大冊でもあるし、冬休みにじっくりと親子で楽しまれてはいかがかなと、お勧めする。なるほどと、膝を打つ場面が満載ですよ。