構想大学デザイン学部
【編】ATAデザインプロジェクト【出版社】プレジデント社
【発刊年月】2001年01月25日【本体価格】1,400円【ページ数】237p
【ISBN】4-8334-9065-X
構想デザインとは構想と解決(実践表現)である。成長から深化、成熟化への道を歩む転換期に新たなシステムをデザインする、一人ひとりの幸福、満足のために生産し、サービスする、社会システムも変える(中略)「構想デザイン」は新たな言葉であるが、組織や個人の経営資源となることは間違いない。
本書 講座終了の言葉 より
デザインと聞いて思い浮かべるのは…グラフィック、プロダクト、建築、インテリアなどだろう。本書でいうところのデザインとは、表現を主体とする狭義のデザインではなく、この言葉が本来持っている「構想、発想」という意味で用いられている。その範囲は「DNAのデザイン」から「国のデザイン」まで、とても幅広い。
本書では、新しく広い意味でのデザイナーを、様々な分野に訪ね、その行動におけるポリシーをまとめている。紹介されている24人は、構想を持ち、方策を示し、実践すること、それを「デザイン」としている。これからのビジネスマンとして、もっとも必要とされる能力そのものではないか。
例えば、セレクトショップ・ユナイテッドアローズの重松社長は、事業は拡大するばかりではない、ビジョンをデザイン化するために起業したんだ、という潔さから、想いをカタチにするための人材配置、コンセプトデザイン、編集作業だという店作りに注力する。その視点は、プロジェクトをマネジメントする際に参考になるだろう。
「事業構想学部」というユニークな学部を持つ宮城大学の野田一夫学長は、本書の中で構想とは「発想を計画に結びつけるまでの仕事のプロセス」である、と述べている。また、各種のプロジェクトで、終始キーマンとしての役割を果たせる人材にとって、「構想」という概念は、基本的職能であり、かつ必須資質であるとしている。
先端・営・感性・共生・社会・育…の6分野で、時代の最先端を走る「構想デザイナー」たちの話はとても興味深く、そして、かなり刺激的だ。彼らの共通点である、新しい視点の持ち方、既存の枠を越えて新領域を作り出す能力、時代を読み取る優れた先見性、それらが、それぞれの立場から、自身の言葉で語られる。力に満ちたその言葉は、読むだけで元気が沸くようだ。
最近流行している多くのビジネス書のように、エッセンスを抽出というスタイルではなく、書名でもわかるように、それぞれの人物による講義仕立てになっている。興味のある項から読み進められるところも嬉しい。すべてのビジネスマンが「デザイン」という視点を持つことを願って、この本を強くお勧めしたい。
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