コンサルティングの悪魔
【著者】ルイス・ピーノルト【訳者】森下賢一【出版社】徳間書店【発刊年月】2000年10月31日【本体価格】1,800円【ページ数】406p【ISBN】4-19-861256-0
コンサルタントという職業は、現代において、親の七光、遺産、コネ、特殊な才能などに恵まれなくても、少し頭がよく、ことにその回転がよければ、普通のサラリーマンにはとても望めない莫大な収入、パワー、早い昇進などを実現することが期待できるキャリアだということが(中略)理解できる。
本書 404p より抜粋
コンサルタント…確かに不思議な商売である。その分野でのエキスパートではない彼らが、一定のメジャー(=このハカリがミソなのだが)とノウハウを持って、企業再建などを担っていく。そんなコンサルタントの「裏=悪魔的な部分」を、赤裸々に描いたのが本書である。少し古い本ではあるが、とても面白いので紹介しておきたい。
本書では、コンサルタントになるための方法から、コンサルタントの日常、その社内での人間関係、プレゼンテーションや提案書作成のテクニック、はたまた、ストレス解消法まで、事細かに書いてある。それらは、とてもドラマティックな文章で紹介されており、読むものを飽きさせることがない。ノン・フィクションではあるけれども、よく出来たドラマのようなのだ。
例えば、恐怖の階級制度…という章では、コンサルタントにおける最悪の恐怖の一つに「失敗しつつある任務の中心に収まってしまうこと」をあげ、実際に筆者がそうなってしまったケースを書いている。そして、まとめには、「コンサルタントは失敗しそうな任務をどうやって予知するか」として、教訓が述べられている。この、各コラムのあとにあるまとめは絶品である。
ドラマティックに仕立てられた事実を、コンサルタントらしい分析で、ある種の「教訓」としてまとめ上げている。ここを拾い読みするだけでも、本書を手にする意味はあるだろう。
先の章の例では、入れ込みすぎない・内部からの危険信号を無視しない・誤った信頼を持たない・データの量にこだわらない・クライアントの事業との疎隔感に気をつけること・予定された会議への欠席や結果提出の遅延が続くと危ない…など、10の項目がまとめられている。どれもなるほどと、思わず唸ってしまう。
筆致はとてもネガティブである。しかし、ビジネス社会における様々なノウハウを、別の側面から描き出している、と言っても過言ではない。その面白さと、詰まっている知恵を考えると、お買い得な本だろう。一冊でしばらく楽しめます、お勧め。でも、コンサルタントって、こんな人ばかりではないですよ、この点はお間違えのないように!
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